田淵電機（株）（東証一部）　事業再生ADR手続申請へ

　6月25日、同社および田淵電子工業（株）、テクノ電気工業（株）は事業再生実務家協会に事業再生ADR手続利用について申請し、同日付で受理された。

　同社は、1925年設立、39年12月設立の電子機器製造業者。主に電源ユニット、電子機器トランス、パワーコンディショナーなどを製造および販売を手がけていた。85年11月には大証二部に上場、2011年の再生可能エネルギー特別措置法の制定を契機に、太陽光発電の需要急増を背景に業容を拡大し、15年1月には東証一部に指定替えを行った。

　しかし、同法に基づく買取価格の低下や規制強化などの影響を受け、太陽光発電の国内市場が大幅な縮小したことにより、2期連続の赤字を計上するなど資金繰りは逼迫していった。そのため、銀行借入の弁済を約定通りに進めることが困難となり、今回の措置となった。なお、事業再生ADR手続きは、借入金元本の返済一時停止など取引金融機関を対象に進められる手続き。今回の手続きの対象となる金融機関は11行、金融債務額は3社合計で約83億5,400万円。

＜COMPANY INFORMATION＞
田淵電機（株）
代　表：貝方士　利浩
所在地：大阪市淀川区宮原3-40-30
設　立：1939年12月
資本金：36億1,181万円