ゴミ処理問題の深刻性と中国ショック(前)
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日韓ビジネスコンサルタント 劉明鎬(在日経歴20年)
日本も韓国も今年は例年にないほどの猛暑が続いている。しかし、現代生活は便利なもので、のどが渇けば自動販売機や近くのコンビニで飲み物を買い、のどの渇きをいやすことができる。それだけではない。急な雨でもコンビニでビニール傘を購入できる。さらに、スーパーまたはコンビニで買い物をすると、買った商品はレジ袋に入れてもらえる。このように便利になった反面、その結果としてプラスチックやビニールゴミが大量に発生している。大量に発生したゴミは一体どこでどうなっているのだろうか。
先進国はゴミ処理コストが高く、いろいろな環境規制もあるので、ゴミ処理コストが安く、環境規制の緩い地域でゴミが処理されている。このような中、中国は世界のゴミを受け入れる世界最大のゴミ処理場だった。
ところが、中国は昨年7月、紙やプラスチックなど24種類のゴミの受け入れを今年1月から中止すると発表した。そのあおりを受け、ゴミの持って行き場を失った韓国の業者がゴミ回収を拒否し、韓国で大きな波紋を呼んだ。韓国政府が動き、事態は沈静化したが、根本的な解決策はまだ見つかっていない。
ゴミ処理問題は韓国だけの問題ではなく、深刻な世界的問題だ。そこで今回はこの問題について取り上げて解決策を考えてみたい。ゴミのなかでもプラスチックの問題は、21世紀の大きな課題の1つとされている。米国のある研究チームによると、プラスチックが大衆に普及したのは1950年で、それ以降2015年まで、プラスチックの総生産量は83億トンに上るという。これは米国のエンパイアステートビル2万5,000個分の重量に相当するようだ。
プラスチックゴミの79%は埋め立てされているか、山や海などに廃棄されているようだ。しかし、プラスチックは分解されないだけに、地球上のどこかに、このプラスチックは存在し続けることになる。このような状況を放置すると、地球環境は深刻な汚染に晒されることになるだろう。さらに、プラスチックの使用は増加の一途をたどっていて、生産量も増え続けており、地球はプラスチックゴミで覆われることになりかねない。韓国の日常生活もプラスチック製品であふれている。とくに、韓国ではレジ袋の使用が目立っている。2015年の統計によると、韓国ではレジ袋を年間216億枚も使っている。1人あたりに換算すると、年間420枚になるという。この使用量はドイツの6倍、フィンランドの100倍で、韓国のビニール消費がいかに多いかがよくわかる。プラスチックゴミの3分1は、このようなレジ袋、ペットボトルなどで占められているようだ。しかし、このような包装材は使われる瞬間、ゴミになってしまう。包装材のコストは毎年何と800億ドル~1,200億ドルだと試算されている。
(つづく)
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