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2018年11月16日 14:24

福岡を代表する名門ゴルフ場 会社統合に見え隠れするドタバタ劇

古賀ゴルフ土地(株)

 2019年10月に第84回日本オープンゴルフが「古賀ゴルフ・クラブ」で開催される。由緒ある大会で開催されるのは実に3回目となる。同クラブほかグループとして古賀ゴルフ土地(株)があり、ともに福岡を代表する地場企業のトップらが名を連ねる。19年1年からグループ内の2団体が統合し運営を開始する予定。だが、名門がゆえにさまざまな思惑が交差する騒動が浮上していた。

戦時下をくぐり抜けて復活をはたした名門クラブ

 古賀ゴルフ・クラブは、戦前の福岡ゴルフ倶楽部大保コースが前身となる。1926年5月、9ホール・2800ヤードの大保コースが開場する。34年10月に18ホール・6520ヤード・パー72に拡張され、40年に日本プロ選手権が開幕されるほどの屈指の名門となった。しかし、時代は戦時下。44年に陸軍被服廠が接収し、クラブも解散となる。だが、大保土地(株)の法人格は残し、後に古賀ゴルフ土地(株)として蘇る。45年8月終戦。早速、旧コースでの再建を行うものの、うまくいかず、福岡市郊外にショートコース6ホールの筑紫カンツリー倶楽部を立ち上げ細々と運営を行っていた。それを見た西日本鉄道(株)が、古賀町に所有する約7万坪を提供。48年5月、福岡国際カンツリー倶楽部として開業した。芝もまばらのグリーンにブリキ缶を埋めただけのコースだが、57年9月、福岡国際カンツリー倶楽部を古賀ゴルフ・クラブに改称。同年12月に、旧ホールをインコースとし全体設計をコースづくりの権威・上田治氏が手がけ開場した。61年には日本プロゴルフ選手権競技が開催。94年10月、時代に先駆けたコースとして新生させるため改修に着手。97年10月には九州初の第62回日本オープンゴルフ選手権競技が開催された。2005年12月から始まった改修工事も終わり06年1月より供用を開始。ホールアウトするまで気の抜けない戦略的かつ魅了して止まないコースだと言われている。

2015年3月に改装されたハウス
日本オープンゴルフが開催される名門

ゴルフ場を所有する不動産会社、株主は地場優良企業が名を連ねる

2019年10月17日から開催される第84回日本オープンゴルフ

 グループはゴルフ運営を担う古賀ゴルフ・クラブと母体となる古賀ゴルフ土地(株)(以下:同社)と分かれている。同社の設立は1945年2月。前身は上述した大保土地(株)である。ゴルフコースやクラブハウスを所有し、古賀ゴルフ・クラブとの賃借契約を締結。古賀ゴルフ・クラブの17年12月期の売上高は6億6,100万円、当期利益は9,900万円の赤字。また、同社の売上高は17年12月期の売上高は1億5,958万円、当期利益は68万円を計上する。

 同社の筆頭株主は西日本鉄道で1万8,680株を所有し全体の1.82%を占める。次いで西部瓦斯(株)が1万4,160株で割合は1.38%。以下、(株)福岡銀行やRKB毎日放送(株)、九電工などが名を連ねる。また、代表取締役社長に西部瓦斯の田中優次氏が就任し、西日本鉄道の竹島和幸会長や九州電力の貫正義会長などが役員として就任している。

 また、古賀ゴルフ・クラブの理事長や理事は同社代表の田中優次氏などの役員が兼務しており、事実上同一会社とみてもおなしくない状況にある。

聞こえてくる騒動、名門ゆえのジレンマ

 だが、聞こえてきたのが名門らしからぬドタバタ騒ぎである。
 クラブと同社の歴史を見てみると戦後、ゴルフ場の復興に大きく寄与したのが西日本鉄道である。当時の副社長であった木村重吉氏が古賀に所有していた土地約7万坪を提供。その後、ゴルフ場の建設計画が立ち上がり、復興の第一歩となった経緯がある。西日本鉄道は同社の筆頭株主でもあり、理事長も多く輩出しており西日本鉄道の色が濃く反映するゴルフ場ともいえた。

 しかし、現在の同社の代表取締役社長とクラブの理事長は西部瓦斯会長・田中優次氏である。本業の合間にクラブ運営と同社の経営を行い、“よくやっている”と聞かれており周囲からの評価も高い。

 だが、そのこと関して良く思わない人もいるらしく「西部瓦斯が西日本鉄道を押しのけ実権を握り乗っ取るのではないか」と厳しく糾弾する人もいるようである。関係者からは「そんなことはないと思う。ゴルフ場は競技人口の減少からみて、どこでも青色吐息。西部瓦斯がゴルフ場を所有するメリットはないはず」という。

 もう1つ、長い業歴のなかから運営クラブと土地所有会社として分離してグループ形成していたが、グループ内を統合して19年1月より土地所有とゴルフ場の運営を1社で担うこととなった。九州にあるゴルフ場のうち経営と土地所有と分離しているのはごくわずかである。同ゴルフ場の担当者は「この手の運営方法はないことはないのですが、少数派ですね。来年1月よりほかのゴルフ場の経営状況を参考にして統合した運営方法となります」とコメントした。

 この騒動の決着として田中優次氏は自身の理事長退任で問題にケリをつけるのではないかとの話がある。

日本オープンゴルフを開催予定

 同ゴルフ場における16年12月期の競技人口は天候不順や熊本地震の復興の影響などで3万857人と低下。しかし、17年12月期ではキャンペーンやチャリティーイベントの営業努力が効を奏して、九州豪雨災害が見舞われたにもかかわらず、3万1,718人に回復している。

 しかも古賀ゴルフ・クラブは19年10月に日本オープンゴルフの開催を予定しており、3度目となる今回はすでにゴルフ場には横断幕などを設置して歓迎ムード一色となっている。現在、コース内の一部の施設改修工事を急ピッチで進めている。福岡の大手企業を株主としてもち、富裕層の会員を有する名門。来年1月から体制を変えた新生「古賀ゴルフ・クラブ」が発足する。九州を代表するクラブだけにドタバタ騒ぎのない品格のある運営を期待したいもの。

【道山 憲一】

<COMPANY INFORMATION>
代 表:田中 優次
所在地:福岡県古賀市鹿部1310-1
設 立:1945年2月
資本金:1億円
売上高:(17/12)1億5,958万円

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