2024年04月19日( 金 )

五輪後もインフラ需要で堅調 資格取得でキャリアアップを!

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 今の建設業界は、「技術者は減っているが、収益が伸びている」状況にあります。建設業の利益を押し上げた主な要因としては、2020年に向けた五輪需要や東日本大震災の復興需要のほか、建設コストを抑制できたことによる工事採算の改善、外国人観光客の増加にともなう建築ラッシュなどが挙げられます。

 一方で、「2020年を過ぎれば、この好景気は終わるのではないか?」というような、技術者や経営層の不安の声も聞こえます。しかし、日本の社会インフラは1960年代以降の高度経済成長期に、鉄道や道路、上下水道、橋、学校などが一斉に建設されています。そして、その多くが耐用年数とされる50年を越えており、本来ならば建替えの時期を迎えているのです。道路橋、トンネル水門など河川管理施設は、東京オリンピック後の23年には、半数近くが50年以上経過します。港湾施設も、33年には半数以上が50年を経過することになります。こうしたインフラの将来の維持管理・更新費として、23年度は4.3~5.1兆円、33年度は4.6~5.5兆円を見込んでいます。つまり今後も、少子高齢化にともなうインフラ整備を含めた事業などが展開されることとなります。

 こうした背景によって現在、現場に出ることのできる技術者であれば、かなりの高給が期待できる状況になってきています。ある調査によると、実際に施工管理技士など建設技術者の給与はすでに上昇傾向にあり、「全業種」の平均年収が約620万円に対し、建設業は唯一700万円を超え、建設業界の年収アップが止まらない状況が続いています。30~40代でも、やる気と協調性があれば建設業の技術者として転職し、資格取得と実務経験を得ることで、50~60代になったときには数百万円、数千万円まで年収を上げることが期待できます。さらに健康であれば、70代以降も現役で働くことも可能です。また企業の多様化にともない、現場手当のほかにも、1級施工管理技士などの資格手当を基本給にプラスして支払っている会社が多くなっています。

 ただし、このような好景気の恩恵を受けていない施工管理技士も、まだまだ存在しているのが現状です。個々の会社の規模や諸事情もありますが、会社の環境整備が悪く、不当な評価をされている事例も数多く報告されています。環境整備を経営側だけに任せるのではなく、雇用側も改善対策を打ち出し、全社員で改善することも必要です。それでも会社が環境の変化を受け入れないときは、正当な評価をしてくれる企業に転職することで、年収アップも可能でしょう。また、1級施工管理技士は監理技術者になれるため、工事の規模を問わず監理することができ、キャリアや給料のアップにつながります。現時点で「1級の資格がない」方は、1年でも早く取得することをおすすめいたします。

<プロフィール>
坂口 智美(さかぐち・ともみ)

1972年生まれ、福岡県出身。学卒後、建設業界へ。建設従事者からの「国家資格は、独学ではなかなか合格できない」という声がきっかけとなり、2001年に工事監理技術者養成センターを大阪で設立。主に出張講習を全国展開し、14年には拠点を福岡(本社)と沖縄(営業所)に移し、社名を(株)建設技術者養成センターに変更。同センターは、生講義で行うことにこだわり、受講生の合格率は90%を超える。(株)建設技術者養成センター代表

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