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2019年01月22日 14:32

『脊振の自然に魅せられて』大雪の金山登山

 数年ぶりの大雪情報、心をときめかせながら山に行く準備をする。 

 ワンゲルの先輩と後輩を誘う。後輩の車はノーマルタイヤのためスノータイヤを履いた私の車で行くことにした。道中、先輩 Tさんを拾い金山へと向かう。室見川を遡り、多々良瀬のバス停から千石の郷へ通じる坂道を登っていく。

 雪の坂道を対向車に注意しつつ、冬タイヤを装備した四駆のスバル車でカーブを登っていく。雪の坂道は下ってくる車に要注意である。一度滑り出すとブレーキを踏んでも止まらないからだ。アイススケートと同じような状況になり、対向車か崖にぶつかって止まるしかない。

 坂道の多い長崎で、下ってくる対向車が私の車にぶつかってきたことがある。対向車が「スーッ」と滑り落ちて私の車に「ドン」とぶつかったのだ。私は被害を最小限にするべく事前に車を45度の角度に向けていたので、タイヤハウスのフェンダーがめくれたくらいの損傷で済んだ。こんな経験をしているので、雪道の運転は余計に慎重になる。

 多々良瀬のバス停から10分、金山登山口に着いた。積雪10cmはある。スパッツ、オーバーズボン、手袋、アノラックなど雪山対策をして金山に向かう。

 登山ルートは坊主ケ滝登山口から金山山頂。通常だと所用時間90分のルートである。しかし積雪登山では、その約1.5倍の時間がかかるだろう

 登るにつれて雪の量が増えてきた。誰かが剥がしたのだろうか、目印の赤テープが見つからない。そのため沢沿いでルートを見失って右往左往し、15分ほどロスしてしまった。

 ようやく五合目にたどり着く、積雪50cmはある。岩と岩の間に落ちると腰まで埋まることになりそうだ。そうなると脱出するのに悪戦苦闘することになる。私は雪溜まりに落ちないよう、スキーのストックを使い慎重に一歩一歩進んだ。

 我々のほかに登山者はおらず、山を独占できた。『最高やね』と先輩の喜び勇んだ声が聞こえる。

 金山山頂まであと500mという標識が見えてきた。夏山だと30分かかる山道だが、冬だと苦戦を強いられる、雪山のベテランである先輩が進んでラッセルしてくれた。

 山頂近くで霧氷を見ることができた。シャッターチャンスである、先行する2人がカメラのアングルに入るのを待ってシャッターを切る。水滴が少しレンズについているのがわかる。ザックからタオルを取り出し、レンズを拭く余裕もない。手袋を外して素手でシャッターを切る。撮影を終え、かじかんだ手に息を吹きかけて温めた。

 ここから10分、やっと金山(967m)山頂に到着した。自分たちの立てた道標が深い雪に埋まり佇んでいた。『ちょっと待って、写真を撮るから足跡をつけないで』と2人に頼み、山頂の景色を撮影した。曇天なのでコントラストはなく、どんよりとした光景だった。

 積雪80cmはあろうか、静かな山頂で、それぞれ持参した非常食を口に入れ英気を養った。脊振山系の雪山登山に3人共満足で、笑顔だった。『北アルプスに行かんでも脊振で十分ばい』と先輩は言う。

 次第に汗ばんでいた体が冷えてきた。ここから縦走路に向かう予定だったが、登りに思わぬ時間を要したのと、積雪量を見て、冬の北アルプスで凍傷になり、指先を失った先輩が『カンジキもないので雪に埋まりながらのラッセルは危険だ、下ろう、これ以上進むと遭難する』と言った。先輩の判断に従い、我々は山を下りることにした。

 下りは自分たちのトレースをたどることができ、楽だった。雪山登山は相当の経験がいるから、大雪時に登ってくる登山者はいない。ワンゲル仲間とともに、すばらしい雪山登山をすることができた。

 追伸:自宅に戻ると後輩の車のバッテリーがあがっていた。早朝からライトを消し忘れていたからだ。ホームセンターでブースターケーブルを購入し、私の車につないで充電した。ちなみに私の愛車はキーを抜くとライトが自動的に消えるようになっている。

2019年1月22日
脊振の自然を愛する会
代表 池田 友行

 

大雪の金山登山   2016年1月27日

 

 大雪に埋もれた金山山頂(967m)

 

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