• このエントリーをはてなブックマークに追加
2019年03月18日 13:28

ICOの被害続出(前)

日韓ビジネスコンサルタント 劉 明鎬 氏

 暗号通貨のバブルが崩壊し、現在暗号通貨の価格は低迷している。ビットコインの価格は最高値の5分1の水準で形成され、投資熱もかなり沈静化している。その結果、資金調達の新しい手段として脚光を浴びていたICOは暗号通貨のバブル崩壊とともに、発行したコインが上場などに失敗し、トラブルが相次いでいる。ICOで資金を調達した後、姿を消したり、当初予定していた事業計画が実行されなかったり、ひどい場合には最初から事業推進が難しい、詐欺のような案件もあったりして、ICOの被害が続出している。

 ブロックチェーン関連企業は2017年第四半期だけで13億ドル以上の資金をICOで集めることができた。ICOで調達した資金額は既存のベンチャーキャピタルからの投資額の5倍以上になるほど、ICOの人気は凄かった。このような状況下で、2017年のみで200件以上のICOプロジェクトが行われた。その当時、コインを発行する会社は、コインが将来上場したら、コインの価格は数十倍から数百倍になり、大きな利益が見込まれると宣伝していた。しかし、結果は暗号通貨の価格が暴落し、上場どころか、事業資金が底をつき、事業がとん挫している例が多く発生している。

 ブロックチェーン技術は一般人には理解するのが難しく、それが本当に実現できる事業かどうかは専門家でない限り判断するのは難しいので、このようなことが起こっている。すなわちICOプロジェクトに投資をするということは、成功確率より失敗確率が大きかったわけだ。

 世界的にみると韓国はブロックチェーン技術よりも暗号通貨の投資に関心があるとされている。韓国では世界的に通用するブロックチェーンの開発事例や専門家は数少ない反面、暗号通貨の熱気は尋常ではなかったからだ。その背景には韓国では国民のほとんどがスマホをもっていて、ITが進んでいることと、ネットワーク販売会社などが暗号通貨に飛びついて暗号通貨の販売、投資の募集などをしきりにやっていたことがある。しかし、ネットワーク販売会社の詐欺まがいの販売行為、ICOの推進など、異常な熱狂ぶりに急ブレーキをかけてきたのは韓国政府である。韓国政府は将来予見されるトラブルを未然に防ぐため、韓国でのICOを禁止したのである。だから、韓国企業はシンガポール、スイスなど、外国に会社を設立し、ICOを進めた。一方、韓国政府はブロックチェーンは将来有望な技術なので育成していきたいと言ったものの、暗号通貨のICOは禁止をした。

 韓国のある調査会社の調べによると、今年の第1,2四半期中にとん挫することが予想されるICOプロジェクトは40件以上に上るという。実際に40社以上のプロジェクトが中止されることになれば、それはコインを購入した個人投資家の被害につながり、1年もたたないうちに1兆ウォンくらい投資金の損失が発生することを意味する。またあるリポートによると、直近の2年間で100億ウォン~2,000億ウォンの資金募集をした100件以上のICOプロジェクトのなかで、95%くらいは事実上、事業資金が底をつき、事業推進が困難な状況であることも明らかになり、衝撃が走っている。

(つづく)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

     

トップニュース

2020年10月25日 07:00

新コンセプトStore 「#ワークマン女子」 SNSとリアル店舗の一体化を図る

 作業用品専門店ワークマンは、18年9月、一般客向けの「WORKMAN Plus(ワークマンプラス)」の店舗展開を開始、2年余りで222店舗まで拡大し注目を集めたが、...

2020年10月25日 07:00

【凡学一生の優しい法律学】日本学術会議推薦無視事件(4)

 高橋氏は「『日本学術会議問題』が、いま本当に必要な議論の妨げになっている…!のコラムを発表した翌10月13日に内閣官房参与に任命されたため、事実上、内閣官房参与の立...

2020年10月24日 07:00

構造スリットの第一人者・都甲栄充氏が来福~構造設計一級建築士・仲盛昭二氏とベルヴィ香椎の施工不具合問題を対談(4)

 「築後10年といえば、マンションはほとんど劣化しておらず、構造スリットの不具合という重大な瑕疵が隠れているとは誰も考えないでしょう。しかし、外観がきれいであっても、...

2020年10月24日 07:00

イズミ8月中間決算、経費減で経常17.5%増を確保 売上は11.8%減

 イズミの8月中間連結決算は、営業収益が前年同期比11.8%の減収であっだが、粗利益率の改善と販管費削減で経常利益は17.5%の増益を確保した...

2020年10月23日 18:30

第一生命が詐欺容疑で『実録 頭取交替』登場の元社員を刑事告発 (20) 甲羅万蔵とは

 『実録 頭取交替』で維新銀行を舞台に登場する主人公の甲羅万蔵について触れる。【表1】、【表2】を見ていただきたい。甲羅のモデル・田中耕三・山口銀行特別社友に関する資料だ。

2020年10月23日 18:09

ストラテジーブレティン(263)~コロナパンデミックの経済史的考察(1)

 100年に一度の金融危機(グリーンスパン元FRB議長)と評されたリーマン・ショックは、その後の順調な回復を振り返れば、大げさすぎた表現であった。しかし今進行している...

2020年10月23日 17:30

『脊振の自然に魅せられて』レスキューポイント設置に向けて(4)

 プレートには、「早良区役所」「脊振の自然を愛する会」のロゴを入れるようドコモから指示があり、あわせてドコモのロゴと「ドコモの携帯電話がご利用できます」との文字を表示...

2020年10月23日 16:55

国際金融誘致へ~福岡市が国際金融に特化したワンストップサポート窓口「Global Finance Centre」を開設

 20日、福岡市は国際金融に特化したワンストップサポート窓口「Global Finance Centre」を開設した...

2020年10月23日 16:41

福岡商工会議所 次期副会頭に西日本FHの谷川社長ら

 福岡商工会議所の役員が11月に任期満了と迎えるが、次期副会頭に西日本フィナンシャルホールディングスの谷川浩道代表取締役社長らが就任する予定であることがわかった...

2020年10月23日 16:34

音楽に見る日本人の正体(3)総集編(後)

 マスコミそのものが筆者身近な読者同様、「敵性音楽の使用」に関心がないのかもしれない。そのように考えてみると、戦後この問題に触れたのは、管見の限りでは長田暁二氏(大衆...

pagetop