「お世話になった」経験をシステム化~ブロックチェーンで地方創生へ(前)
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(株)ハウインターナショナル 正田 英樹 代表取締役
(株)ハウインターナショナルが掲げるビジョンは、「アジアのシリコンバレーe-ZUKAの実現」。地方経済の活性化、さらには“地方地域で暮らすモデルの実現”を目指し、地方で暮らしながら、新しい技術や知識を学べる環境をつくっていきたいという。同社の創業者であり社長を務める正田英樹氏に、飯塚の魅力と今後の活性化について話を聞いた。
アジアのシリコンバレーにしたい
――飯塚を起業の地に選んだ経緯にはどのようなものがあったのでしょうか。
正田 飯塚市にキャンパスがある九州工業大学に進学したのがキッカケです。学生会の活動を通して飯塚の方との多くの縁をいただきました。商店街のお祭りなど多くの地元のイベントにも参加し、商店街主や地元の方々に飲み食い含めてすべての面でお世話になりました。なかでも、無償で留学生を支援していたナワタ消化器外科医院・縄田修先生の活動に感銘を受け、「就職で離れるのではなく、このまちに残ってみようかな」と思い始めたのです。
商店街でのお祭りで知り合った方から、ITによる飯塚市の地域活性化を目的としたIT企業の立ち上げに誘われました。当時の飯塚は「インターネットって何?」という状況で、ほとんど仕事もない状態でした。営業強化のため、福岡市内に拠点を置いて活動していましたが、ヤオハン・和田一夫さんの勉強会に参加して、「創業の想いを忘れるな」ということを学びました。飯塚の活性化を目的に会社を立ち上げたのに、福岡市内で営業活動していることに違和感を抱いたこと、以前訪問したシリコンバレーの自由な雰囲気に憧れていたことから、「飯塚をアジアのシリコンバレーにしたい」と考え始めました。
改めて起業するため飯塚に戻り、縄田先生などからご支援をいただき、市内に事務所を構えました。そこで、(有)Heart at Work(ハート・アット・ワーク=自立支援)を1999年7月に設立したのです。その後、(株)ハウインターナショナルに商号変更して、今に至ります。飯塚にエコシステムを作る
――シリコンバレーの魅力はどのようなものだと考えていますか。
正田 失敗しても挑戦し続けられるところですね。失敗したとしても、その経験がむしろ歓迎されるのです。弊社では、ビジョンとして「日本を支える人材育成」を掲げています。新規事業の立ち上げや社内起業、独立などは大歓迎です。失敗しても、会社に戻ってリベンジの力を蓄えればいいのです。飯塚をアジアのシリコンバレーにするため、まずは弊社から失敗に寛容な環境を整備していきたいと考えています。
また、シリコンバレーの特長に「エコシステム」があります。弊社の設立の背景には、飯塚のエンジェル投資家による資金などの支援、メンターの存在があります。地域に根ざした方々の存在によって、私はここまで企業経営を続けることができました。ただ単にシリコンバレーを模倣するつもりはありません。「まちに誇りを持ちながら、新しい挑戦をし続けられる」という点を強調してきたいのです。
テクノロジーについてディープに語り合うe-ZUKA Tech Nightには、九工大や近畿大学など飯塚市内の大学生を中心に毎回数十名の学生が参加します。飯塚市の課題として、技術者が集まりにくいことが挙げられます。このようなイベントの開催を継続することで技術者が集まりやすい基盤となればいいなと思っています。(つづく)
【永上 隼人】<プロフィール>
正田 英樹(しょうだ・ひでき)
1972年7月、山口県光市生まれ。九州工業大学出身。在学中から学生会会長として、地域活性化を目的に、飯塚市住民と学生の交流を主導してきた。関連記事
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