東京・虎ノ門の超巨大再開発、200m級の超高層が続々(中)
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ホテル、住居、オフィス、さまざまな高層ビルが集積
虎ノ門ヒルズの西側では、「虎ノ門二丁目地区再開発計画」が進められている。これは、病院棟と業務棟の2棟が再開発により新たに開発される計画で、地区内の虎の門病院、国立印刷局(本局・虎の門工場)および共同通信会館の老朽化や地形の高低差や歩行者空間不足などが課題となっていた。19年に完成する高さ99mの新・虎の門病院および22年に完成する高さ179mの高層オフィスビルおよび高さ20mのアネックス棟が整備される。
慈恵大西新橋キャンパスの再整備も行われており、すでに完成している2号館とともに新外来棟の整備が進められている。
日比谷線・神谷町駅の北側では、19年完成予定で「虎ノ門トラストシティ ワールドゲート」(以下、ワールドゲート)の建設が森トラスト(株)により進められている。虎ノ門パストラルや虎ノ門4丁目MTビルなどの跡地をまとめた大規模開発となるワールドゲートは、地上36階・地下4階建、高さ180mの超高層ビル。隣接地では、ホテルオークラ建替え事業も進められ、19年春には高さ188m、38階建、550室を擁する日本を代表するラグジュアリーホテルが開業する予定。2~25階(延床面積6万4,000m2)はオフィスとして貸し出される。
虎ノ門に本社を構え、不動産の再生事業を主力とする(株)トリビュートの田中社長は、「22年度までに、虎ノ門ヒルズ森タワーを含む4棟で計30万m2の賃貸オフィス床供給があります。15年から25年までに予定されているオフィス供給量(賃貸床)は、それまでの30年間に供給された供給量を上回ることになります。これを内需だけで埋めることは困難であるため、いかに外需を呼び込めるかが肝要です。六本木、元麻布で成功してきたブランド意匠の醸成がポイントとなるでしょうね」と話す。
外国人呼び込む職住近接の空間づくり
虎ノ門ヒルズ周辺から南西方面では8haの広大な敷地で大規模開発「虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業」が進められ、森ビルと日本郵政が参加組合員として参画する「虎ノ門・麻布台地区市街地再開発組合(今年3月に東京都知事が認可)」により複合棟、住宅棟、住宅棟の3棟が開発される。このほかC街区に低層の建物4棟、総戸数1,300戸を計画。この再開発事業は、19年3月に着工し、23年3月の完成を目指している。
長期滞在の外国人向けに約460戸、短中期滞在の外国人向けに約160戸を供給するほか、1,800m2のグラウンドを備えたインターナショナルスクールを整備する。このように、虎ノ門エリアでは国家戦略特区を活用して新駅や住宅、インターナショナルスクールを整備することで、虎ノ門エリアに外国人を呼び込む「職住近接の空間づくり」を目指しており、外資系企業の誘致を活性化させる狙い。
合わせて東京都は、大手町から兜町における国際金融都市の実現とも合わせて経済波及効果を新宿、品川駅周辺にまで広げたい構えだ。都心の再開発は、地権者を始め多くの利害関係者が関わる複雑な取り組みだ。福岡でも天神ビッグバンと銘打ち、今後30棟のビルを建て替える計画だが、虎ノ門のような一体開発ではなく、個々の地権者がそれぞれ建て替えるといった性格が強い。霞が関、東京都、URなどを巻き込み、森ビル主導で行われるダイナミックさは、福岡も学ぶ部分が多いだろう。
東京の不動産価格は、高止まりして久しい。虎ノ門が狙う外資の取り込みが成功するか、オリンピック後も含めて注目したい。
(つづく)
【永上 隼人】<COMPANY INFORMATION>
(株)トリビュート
2009年4月に福岡で創業。15年12月、東京進出。虎ノ門に拠点を置き、不動産再生をメインに仲介、リーシングを手がける。人口が増加、集中する東京と福岡で綿密なマーケティングを行うことで顧客の信頼を得て、業績は躍進を続けている。近年ではアジアに向けた事業展開も積極的に行っている。関連記事
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