2024年05月08日( 水 )

選挙に行って悪徳消費税増税をやめさせる

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 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回はメディアの誘導による「政治の劣化」に加担してはならないと訴えた7月4日付の記事を紹介する。


 政治の姿は国民の姿を表している。政治の劣化は国民の劣化の反映であると受け止めなければならない。

 メディアは参院選が公示日を迎えているのに、政治問題に時間を割かない。幸いなことに人的被害が拡大しなかった大雨だが、この状況に見合わない時間を大雨問題に割いている。

 既得権勢力は、主権者ができるだけ政治問題に関心を持たないようメディアに指令している。できるだけ投票率が高まらないように情報誘導することをメディアに指令している。だから、メディアが選挙の争点に関する論争に時間を割かない。

 7月3日に実施された日本記者クラブ主催の党首討論会などは、恰好の報道番組素材である。原発増説、選択的夫婦別姓、LGBT権利基本法について賛否を挙手で示すよう記者が求めた。回答はYES、NO、どちらでもない、の三つに一つだ。沖縄の県民投票でYES、NOの二択ではダメだとの意見があり、どちらでもない、が選択肢に加えられた。党首討論会でははじめからどちらでもないが用意されていた。安倍首相が質問に答えればいいだけの話だ。「決められる政治」などと叫んでいた安倍首相だから三つの選択肢から「決められない」というのがおかしい。

 安倍首相は「印象操作」だと逆ギレして騒ぎ出した。政治の劣化の象徴だ。報道番組にうってつけの素材だったが、報道各社は被害の拡大しない大雨情報だけを延々と垂れ流す。「国民の劣化」と記述したが、正確に表現すれば、政治権力がマスメディアを支配して誘導している「国民の劣化」なのだ。

 今回の参院選最大の争点は消費税増税の是非だ。主権者の生活を直撃する政策である。消費税増税でむしり取られるお金は年間で5.7兆円。軽減税率が導入されるが、その他増税策もあり、国民負担が年間5.2兆円増加する。政府はポイント還元など2.3兆円の対策を講じるが、これは単年度の措置だ。10年で考えると国民の負担増加は52兆円。2.3兆円の対策を講じたところで国民の負担増は50兆円だ。

 欧州などで消費税率が高いと言われるが、生活必需品は非課税である。普通の市民が普通に暮らす限り、重い消費税負担は発生しない。これに対して日本の消費税は庶民から金をむしり取るための制度である。軽減税率と言うが8%の税率が据え置かれるだけだから「据え置き税率」と表現するべきだ。ちんけな複数税率で混乱が拡大するばかりだ。

 安倍首相の政治に欠けているのは「愛」である。正確に言うと、弱い立場に追い込まれている人々への愛がない。「自分に対する愛」だけはてんこ盛りだ。「自己愛」の強さは歴代随一。「今だけ、金だけ、自分だけ」の「三だけ教」信者は必ず選挙に行く。この比率が主権者全体の25%だ。

 この25%が必ず選挙に行って、国会議席の7割を占有している。この状況を打破するには、残りの75%の人が必ず選挙に行くことが必要だ。

※続きは7月4日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「悪徳消費税大増税容認は究極の失策になる」で。


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・植草一秀の『知られざる真実』

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