わらび座ミュージカル「ジパング青春記」特設ページ
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2019年08月14日 07:00

『盛和塾』稲盛塾長、最後の講演(8)

 「そうだ、確かにあなたがいう通り、私は冷たかったかもしれない。だが問題は、なぜ冷たくしたのかだ。今までずっと赤字を続けてきた会社の社長が黒字を出した。しかし、あの時の黒字は豆粒ほどの黒字でしかなかった。一方、今までの累積赤字たるや相当な額になっている。それで褒められるだろうか」

 「もし、それを私が褒めたら、彼は喜ぶかもしれない。だが、彼自身がそれでよしとなってしまったらどうだろう。『雇用を守っていく。従業員を幸せにしてあげたいと思っている』と私は言った。

 それには、毎年毎年十分な利益を確保し、またその拡大をはかっていかなければならない。しかし、そんなわずかな利益では従業員の賃上げどころか、雇用さえ守っていけるはずがないだろう。だからこそ、私は彼に『そんなもの利益のうちに入るものか』と厳しく言ったのだ」「それを聞いた彼は大変落ち込みもしたかもしれない。また、私を恨んだかもしれない。しかし、私は彼自身のこれからの人間としての成長も考えて、あえて恨まれてもいいと思って、そう言ったのだ」

 「翌年、彼は頑張って、さらに大きな利益を出してきた。そして、今では十分な利益が出るようになったので、私は今は『立派なものだ』と彼を褒めている。しかし、もしあの時、あの微々たる利益で私が褒めていたら、彼は経営者として、また人間としてそれ以上成長しなかっただろうし、今日の立派な会社にはなっていなかっただろう」

 そのように、私は本音に対して本音をぶつけたわけですが、みんなを引っ張っていくための対話というものは、このようなストレートなものでなければならないと思います。

 恐れずに従業員のなかに入っていって本音で会話をしてください。その会話も、取ってつけたみたいに中に入っていけば警戒されますから、コミュニケーションが取りやすいかたちを工夫して考えていくことが大切です。

 私の場合には、コンパというかたちをとりましたが、皆さまの場合には、それぞれの会社の環境、また従業員の個々の状況をよくよく考慮したうえで、最もふさわしいコミュニケーションの場をつくり、本音で対話することに努めていただきたいと思います。

 第四に、フィロソフィを説く経営者は、従業員とともに自らも学び続ける姿勢をもたなければなりません。

 いかに経営者自身がフィロソフィの力を強く信じ、日頃から率先垂範に努めたとしても、完璧には実践できないのが人間です。

 それでも、「人間としてこういう生き方をすべきだ」「経営者として、こういうリーダーになるべきだ」ということを理解して、少しでもそれに近づこうと懸命に生きている人と、そう思わずに漫然と生きている人では、人生や経営の結果はまったく違ってきます。

 体得できるかできないかではなく、折に触れて反省し、体得しようと努力を続けることが大切だと、私は思っています。

 塾生の皆さまが社内でフィロソフィの浸透、共有に努めるにあたっても、よくよくこのことを理解したうえで話をしなければなりません。

 フィロソフィを完全に実行できる人はいないのです。ですから、以前にも申し上げましたが、経営者である皆さま自身が、率直に社員に次のように言わなければなりません。

 「私は、皆さまにフィロソフィを学べと偉そうに言っていますが、それを自分自身で実行できているわけではありません。

 いまだかつてフィロソフィのすべてを実行できたためしがありません。その意味では、まだ一介の書生であり、門前の小僧でしかありませんので、これから一生涯をかけて、実行できるよう努力していくつもりです」

 「しかし自分ができていないからといって、フィロソフィのことを教えなくていいというものではありません。

(つづく)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

     

トップニュース

2020年01月20日 08:53

オフィスランドが「第2回大文具まつり」~3月20、21日北九州市小倉北区でNEW!

 大平紙業グループの文具専門店、オフィスランドは3月20日(金)~21日(土)、北九州市小倉北区の西日本展示場で「第2回大文具まつり」を開く。

2020年01月20日 07:00

多くの大手ハウスメーカーとスクラムを組み月間1,000棟を手がける九州トップの足場会社NEW!

 「BIKE MEN style」(ビケメンスタイル)。筋骨隆々の若者が表紙を飾るどこかのマニアックな情報誌かと思えば、それは意外にも(株)ダイワが制作した雑誌スタイ...

2020年01月20日 07:00

愛され続けて36年 不動産のプロとして顧客をサポートNEW!

 イタリア由来のデザイン、最新の住設備を取り入れた自社ブランドマンション「モントーレ」シリーズで好評を得ている西武ハウス(株)。その始まりは1983年8月に現代表の豊...

2020年01月20日 07:00

汗を流して挑戦し、短期間で急成長 アジアの物流網を駆使し事業領域拡大へNEW!

 福岡ロジテム(株)は2005年、東京の上場物流企業である日本ロジテム(株)と福岡のコバヤシライン(株)が九州エリアの強化を目的に共同で設立した。代表取締役社長を務め...

2020年01月19日 07:30

博多の食文化を次代に伝える役割を担い魚の熟成で新たな調理法の確立に挑む

 福岡の食文化に多大な貢献をはたしてきた「日本料理 てら岡」の会長・寺岡直彦氏が博多で創業したのは1976年9月、43年前のことである。わずか27坪で始めた店は、玄界...

2020年01月19日 07:00

顧客の要望に応え続けて事業領域を拡大 自律型社員を育成し、さらなる成長を目指す

 ソリューションは2000年2月、社名のごとく「お客さまの課題や問題の解決をすること」を事業目的に掲げ創業、来年で20周年を迎える。当初は、ビジネスフォンや複合機、電...

2020年01月19日 07:00

地域活性化を支える企画力と実行力

 志水建設は、北九州市を中心に、福岡県全域と山口県を営業エリアとして活動を展開している総合建設業者だ。拠点を北九州市の中心区である小倉北区と、福岡市屈指の商業地域であ...

2020年01月18日 07:00

理念と価値観を共感する仲間とともに 「街と人が輝く社会」を目指す

 一般電気工事から交通信号機設置工事、空調設備工事、電気通信工事まで幅広い事業を手がける第一電建(株)は2020年に50期目を迎える。同社は1971年6月に住宅、ビル...

2020年01月18日 07:00

地場で一番きれいな工事現場で地域活性化に貢献する

 スエナガは、2015年1月に設立された総合建設会社である。同社の代表取締役・出口洋一氏は、34年間、地場建設業の(株)末永工務店に勤務。一貫して技術畑を歩み、常務取...

2020年01月18日 07:00

TRGほか新サービスで解決目指す プレイヤーだからわかる業界の不便

 トリビュートは創業以来、「不動産再生」に主眼を置いてきた。不動産再生とは、「空室が目立つ」「用途が立地に合っていない」「土地が狭小、不整形地」などの課題を解決するこ...

pagetop