2024年05月20日( 月 )

【特別対談】最大のテーマは駅前再整備と企業誘致(後)

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衆議院議員・宮内 秀樹 氏
古賀市長・田辺 一城 氏

 ――商機能を入れるのであれば、民間と協力するのも、1つの手法だと思います。

 田辺市長 民間との連携は、庁内で検討しています。現在はUR((独法)都市再生機構)と連携して取り組んでいますが、やはりその道のプロですから、情報やアイデアはたくさんもっています。もちろん市が先導しながら、提供された情報を有効に活用しつつ、ご協力いただける民間企業との連携を考えていきたいと思います。

 市単独でまちづくりを成功させるというのは、到底無理なことです。行政と民間、そして市民を巻き込んだかたちでの展開でなければ、良いものはできません。さっそく今年度予算で、都市計画決定に係る古賀駅東口周辺の調査費を予算計上しました。自分の土地がまちづくりでどのような役割をはたすのか、地権者に早く伝えたいと思ったからです。

 宮内議員 たしかに、市長の熱い思いが込められていますね。

 田辺市長 ソフト面でのまちづくりも実行しようと、これまで市役所前駐車場で開催していた「まつり古賀」を、今年は古賀駅東口で開催する予定です。ニビシ醤油さんが100周年を迎えるにあたって、市としても何か企画したいという思いで、ご提案しました。毎年4万人が集まるイベントを駅前でやれば、市民が回遊するイメージが見えるのではないかと思ったのです。駅東口開発の序章になるような、そんなストーリーを描いています。

 宮内議員 不思議なもので、目に見えるものがないと、計画が進んでいることが伝わらないものです。「新宮や福津は様変わりしたが、古賀はどうなっているのか」というのも、市民目線ではよくある意見だと思います。

 古賀市には、国道3号線や国道495号に加え、古賀ICもある。さらに、快速ならJR博多駅から古賀駅まで20分もかかりません。自然豊かで面積も比較的広く、行政としては多くの財産をもっているといえます。それを生かすかどうか。もともと、市民の充足感はあるまちなんですよ。それでも、周辺が様変わりしているなかで、古賀市ではあまり変化が見られないことに、市民に「古賀だけ取り残されているのではないか」という感情が生まれているのではないでしょうか。

 田辺市長 人間は変化を求めます。シンボリックな事象が起きていないと、「変わっていない」と感じるものです。市民の心に最も効果的に刺さるのは、駅前開発だと思います。企業誘致が成功して、産業がさらに活性化しても、それだけでは市民目線では変化を伝えるのは難しい。だから、まちを変えるのは駅なんです。

 宮内議員 若さはエネルギーの象徴で、若者が多いとそれだけでまちが元気になります。ですから、公共交通機関の整備を始めとした、若者に移住してもらえるような政策を外すわけにはいきません。コミュニティバスの導入も1つの案ですが、私個人としては地域の交通事情を最も知っているタクシー事業者に参入してほしいと考えています。市と協議して、事業者から提案をもらい、走らせる。採算が取れない場合は、市が補助するなりして、安心して利用できる交通インフラを整備していくべきだと思います。地域のボランティアにも積極的に活動してもらっていますが、それでは限界があります。

 田辺市長 それは良いアイデアですね。全国に先駆けて、新しい交通モデルとなるような取り組みを、ぜひ古賀市で導入してみたいと感じました。ちょうど来年度にかけて、古賀市は地域公共交通網形成計画を策定中です。市民や職員が何となく感じている交通網の不足を客観化したうえで、事業者に入っていただき、計画づくりに着手しました。

 宮内議員 社会保障については、固定費がどんどん上がっていきます。そのなかで、元気をつくる、新しいものをつくっていかねばならない。それには、今日お話しになった駅前再開発と産業強化をまずは市民に知ってもらうことが大切ですが、大変だとも思います。田辺市長はエネルギッシュですし、フットワークも軽いですから、情報発信には長けています。ご年配の方はとくに、若い市長にはどうしても期待してしまうものです。大切なのは、発信して納得してもらうことではないでしょうか。

 田辺市長 大事にしたいのは、市民にまちづくりへの関心をもってもらうこと、そして市民の“納得感”ですね。

(つづく)
【東城 洋平】

<プロフィール>
衆議院議員・宮内 秀樹(みやうち・ひでき)

 1962年10月、愛媛県松山市出身。青山学院大学経営学部を卒業後、85年に愛媛県選出の国会議員・元総務庁長官の塩崎潤氏の秘書として政治の世界に入る。その後、塩崎恭久・元官房長官や渡辺具能・元国土交通副大臣の秘書を経て、2012年12月の衆議院議員選挙で初当選。現在3期目。

<プロフィール>
古賀市長・田辺 一城(たなべ・かずき)

 1980年5月、古賀市出身。福岡県立福岡高等学校、慶應義塾大学法学部法律学科を卒業後、2003年に毎日新聞社入社。11年4月に福岡県議会議員選挙に初当選し、県議を2期務める。18年12月に古賀市長に就任。現在1期目。

(中)

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