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2019年12月06日 13:00

【事業継承の教訓】ザ・クイーンズヒルゴルフクラブ裁判から何を学ぶのか(前)

1:秘密裏に行われた田原氏の葬儀

 マンション業界のドンであった田原學氏が難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)を患い、長い闘病生活を経てこの世を去った。2017年3月7日のことである。この偉人の訃報が届いたのは3月28日のことで、故人の死からすでに3週間が過ぎていた。関係者に聞いてみたところ、「どうも田原さんが亡くなったのは事実のようである」と口をそろえる。

 ところが誰1人として「通夜に行った」とか「葬儀に立ちあった」という証言が得られなかった。「偉大な功績を残した田原氏の葬儀を家族葬にするとは何事か!」と怒りの念が込みあげてきた。関係者の証言を総合すると「長男・司氏がひっそりと家族葬を強行した」ということになる。故人からお世話になった方々はごまんといるというのに――。

 積善社福岡斎場で葬儀を行えば1,000人以上が参列していただろう。「司は何をやっているのか!オヤジさんに恩義を返す機会(葬儀でのお別れ)を取り上げやがって!」と怒り心頭に発する人を数多く目にした。

 そこで2017年7月27日「Net IB News」(「親不孝の典型・ふたりの息子」)で下記のように報じた。

 「親の名に泥を塗る息子」というはどの時代にもいるものである。第一の例は「息子」。中洲のとある有名店の子息が韓国内で詐欺の容疑をかけられ、帰国できない状況にあるようだ。自動車販売業を営むこの子息は、福岡市内の本店の家賃不払いでトラブルになったこともある、いわばトラブルメーカ――。今回の意見を聞いて「ヤレヤレ」とあきれる向きも多いという。

故人の逝去前からゴルフ場経営権をめぐって裁判していた

 次に挙げる「息子」田原司氏は、業界を牽引してきた(株)ソロンの故・田原學氏の長男。ここで問題にするのは(株)ザ・クイーンヒルズゴルフ場の処理の件である。故人・田原氏が逝去されて4カ月が過ぎようとしているが、いまだに田原學氏が取締役にとどまっているのだ。

 4カ月もの間、故人が取締役として登記され続けているの例を見たことがない。本来は長男・司氏が対策に奔走するのが筋であるだが、まったくの放置状態であった。生前贈与で巨額な資産を継承したといわれるが、「司さんよ!そんな親不孝な振る舞いをしていては、オヤジさんが草葉の陰で泣いているぞ!」

 筆者は「よく學氏からお世話になった人たちの心痛を察して代弁できた」と当時は自画自賛していたが、今となっては赤面の思いである。2017年3月に故人が亡くなっていた際、司氏はザ・クイーンズヒルゴルフ場経営陣と経営権をめぐる裁判を起こしていたのである。

 司氏にとってゴルフ場の経営権を取り返すことが最大の重要案件だった。「オヤジの葬儀を公然と行えば、裁判で不利な事態を招くかもしれないと考えて、學氏氏の死去を公にしなかった」と、司氏の判断を記事に付加すべきだったと反省している(もちろん、実父・學氏を心から供養する気持ちは薄いとみるが)

2:ゴルフ場経営陣は株権移行の変遷の実体を調査すべし

 この項目の主体は『事業継承の教訓』である。だから脱線はしたくない。ただこれだけは補足しておく。故・學氏が生前に司氏へゴルフ場の経営権を譲るとは考えにくい。これはゴルフ場経営陣にとっては周知のことである。お互いの憎しみが半端なものではなかったことが幾度も目撃されているはずだから…。

 第2審の結審が迫っているなかでの証拠固めは難しいかもしれない。だが、司氏がまったく動きが不自由になった故人を手玉に取ることは容易で、ゴルフ場の株権を取り上げることは簡単なことだった。ゴルフ場経営陣および弁護団は迅速に株の移転の不明瞭さを突くための証拠固めをやるべきだった。

(つづく)

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