中核担う先進拠点「サクラマチオフィス」を開設

（株）Lib Work

最先端の技術を取り入れた近未来型オフィス

　インターネット集客を特色とした戸建事業を展開し、2015年8月の福証Qボード上場に加え、19年6月には東証マザーズへの上場もはたした（株）Lib Work。熊本県山鹿市に本社を置く同社は19年10月21日、新たに「サクラマチオフィス」を開設した。

　サクラマチオフィスは、19年9月に開業したばかりのバスターミナルを備えた大型複合施設「SAKURAMACHI Kumamoto（サクラマチ クマモト）」内のオフィス・バンケット棟「サクラマチヒルズ」の5階に入居する。同社の営業エリアが広域化したことにともなう“ハブ”的な拠点として位置づけられているほか、アクセスの良さを生かして、採用活動や顧客との打ち合わせなどにも活用していく狙いだ。

　約360ｍ²という広大なオフィススペースのなかには、バランスボール型のイスを備えたミーティングスペースや、ガラス張りの会議室のほか、個室型の席やカウンター席、カフェスタイルのソファー席など、複数のワークスペースを設置。社員が個々の席をもたず自由に働く場所を選択できる「フリーアドレス制」を導入しており、各人がその日の仕事内容や気分などによって、フレキシブルな働き方をすることが可能となっている。部署間を越えたコミュニケーションの向上にも寄与する仕組みだ。

　また、オフィス内には、大型のディスプレイを複数台設置。220インチの大型映像による顧客への効果的なプレゼンテーションに用いるほか、TV会議などによって各事業所間とのリアルタイムでの密なコミュニケーションを可能にする。さらに、オフィス入口には静脈認証システムを導入。セキュリティ面だけでなく、入退室などの勤怠管理にも役立てている。これらオフィス空間の設計は、ICTソリューションを組み入れた空間設計に定評のある（株）内田洋行が手がけた。

　同社代表取締役社長CEOの瀬口力氏は、「サクラマチオフィスは、弊社のなかでもフラッグシップ的なオフィスとして位置づけています。社員それぞれが働きたいスタイルの選択を可能にすることで、業務効率のアップやアイデア創出に役立てるほか、これからの事業展開を行っていくうえで必要となる多種多様な優秀な人材を採用するためにも、この先進的なオフィスが役立つのではないかと考えています。いろいろとテスト的な部分もありますが、良い部分はほかの事業所などにも取り入れ、広げていきたいと思います」とコメントする。

　同オフィスでは約50名の社員が働けるキャパシティを備えているが、現在ここで勤務している社員は約30名。今後の採用活動などを通じて、同オフィスの陣容をさらに充実させていきたい考えだ。

地場企業として地元へのさらなる貢献を

　創業以来、WEBマーケティングをコアコンピタンスとする住宅テック企業として事業を展開してきた同社は、20年1月には経営ビジョン「VISION 2030」を策定。5G時代の到来に向けたSNS活用や動画チャンネル開設などの新たな集客スタイルの確立、個々のライフスタイルや価値観を重視した戸建商品の開発、“体感・体験・楽しむための空間”をテーマパーク化したモデルハウスなど、“従来型産業である住宅ビジネスにイノベーションを起こす”をキーワードに、さまざまな施策に取り組んでいくとしている。

　今年6月には福岡でモデルハウス開設を予定するなど、今後はエリア・店舗数の拡大にも注力。将来的には、九州一円から西日本、東日本、さらには日本全国へと拡げていきたい考えだ。

　一方で、同社はこれまで、本拠地を置く熊本県内でさまざまな地域活動に注力してきた。18年6月には、熊本県が管理する藤崎台県営野球場のネーミングライツ（命名権）を取得。「リブワーク藤崎台球場」として熊本城公園内にある立地を生かし、さまざまな屋外イベントなども企画しながら、周辺地域の活性化などに役立てていきたいという思いが込められている。

　「熊本は歴史のあるまちですし、ポテンシャルはものすごく高いと感じています。長期的なビジョンで、さまざまな資源や魅力をうまく活用すれば、エリアとしてもっといろいろなことができるのではないでしょうか。我々も地元企業として地域社会に密着した活動を行うなかで、いろいろと貢献していきたいと考えています」（瀬口社長）。

　全国展開をにらみながらも、地元への貢献を忘れることのない同社。「暮らしを変える、世界を変える、未来をつくる」のスローガンの下で、業界に次々と新たなイノベーションを起こすことを期待したい。

【坂田　憲治】