2024年05月03日( 金 )

九州地銀の「20年3月期 第三四半期決算」を検証する(3)

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【表1】は九州地銀18行(含むFG・FH)の純資産残高推移表である。

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(1)を見ていただきたい。九州の3金融グループの20年3月期 第三四半期(12月期)の純資産残高順位表である。

~この表から見えるもの~

 純資産残高1位はふくおかFGで前期比+1,780億円の9,553億円(23.4%増)。大きく増加しているのは十八銀行と経営統合したことにともなう特別利益「負ののれん発生益1,174億3,300万円」を計上したことによる。

・2位は九州FGで、前期比+141億円の6,664億円(2.2%増)。
・3位は西日本FHで、前期比+85億円の5,182億円(1.1%増)となっており、九州FGとの差は広がる傾向にある。

 総資産残高1位はふくおかFGで25兆5,845億円。2位は前期3位だった九州FGで10兆9,243億円。3位は西日本FHで10兆7,712億円となっている。2位と3位を合わせてもふくおかFGとの差が大きいのがわかる。

(2)を見ていただきたい。九州地銀18行の20年3月期 第三四半期(12月期)の純資産残高順位表である。

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~この表から見えるもの~

 九州地銀(18行)の19年12月期の純資産残高は、前期比+546億1,100万円の3兆495億

5,700万円(1.8%増)。順位変動は17位に佐賀共栄銀行が昇格し18位に長崎銀行。

 純資産残高1位は福岡銀行。前期比+101億2,700万円の6,801億4,700万円(1.5%増)。

・2位は西日本シティ銀行。前期比+49億5,100万円の5,137億2,600万円(1.0%増)。
・3位は鹿児島銀行。前期比+72億9,900万円の3,318億500万円(2.2%増)。
・4位は肥後銀行。前期比+95億9,300万円の3,210億2,500万円(3.1%増)。肥後銀行が鹿児島銀行を上回るには後数年はかかりそうだ。
・5位は大分銀行。前期比+75億9,600万円の2,095億3,300万円(3.8%増)。
・6位は十八銀行。前期比+87億6,300万円の1,709億9,100万円(5.4%増)。
・7位は宮崎銀行。前期比+40億5,200万円の1,559億3,000万円(2.7%増)。
・8位は親和銀行。前期比▲36億4,100万円の1,287億5,800万円(▲2.8%)。
・9位は佐賀銀行。前期比+6億6,100万円の1,211億5,400万円(0.5%増)。
・10位は北九州銀行。前期比+11億7,500万円の1,035億1,100万円(1.1%増)。
・11位は熊本銀行。前期比+1億7,900万円の911億4,000万円(0.2%増)。
・12位は宮崎太陽銀行。前期比+7億4,400万円の479億2,800万円(1.6%増)。
・13位は南日本銀行。前期比+7億6,900万円の438億4,100万円(1.8%増)。
・14位は筑邦銀行。前期比+11億4,600万円の407億3,200万円(2.9%増)。
・15位は豊和銀行。前期比+5億400万円の316億1,800万円(1.6%増)。
・16位は福岡中央銀行。前期比▲3億5,000万円の274億2,700万円(▲1.3%)。
・17位は前期18位の佐賀共栄銀行。前期比+9億600万円の153億500万円(6.3%増)。
・18位は長崎銀行。前期比+1億3,700万円の149億8,600万円(0.9%増)。

 九州地銀18行のうち、親和銀行と福岡中央銀行の2行の純資産が前期比マイナスとなっている。全行的にも増加率が鈍化しているのが読み取れる。

 総資産残高が前期比減少しているのは3行。福岡中央銀行は前期比137億2,300万円(▲2.6%)。親和銀行は前期比▲217億1,500万円の2兆8,549億8,500万円(▲0.8%)。北九州銀行は前期比▲27億7,400万円の1兆3,093億3,300万円(▲0.2%)となっている。

<まとめ>

 九州地銀18行は、3月期(通期)、9月期(中間期)には自己資本比率を公表しているが、19年12月期の自己資本比率を公表している銀行は13行。公表していない銀行は、佐賀銀行、南日本銀行、筑邦銀行、福岡中央銀行、佐賀共栄銀行の5行だけとなっている。地銀の経営が厳しさを増している今だからこそ、公表すべきではないだろうか。

(つづく)
【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】

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