2024年03月29日( 金 )

連載 東亜大学~疑惑の指導者更迭(4)─柔道界の“重鎮”の存在

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

 過去、当NetIB-Newsでは(学)東亜大学学園の東亜大学の学校経営マネジメントに対して、疑義を報じてきた。今回、「東亜大学の女子柔道部の監督が昨年9月に突然更迭された。客観的に当該監督は、何ら落ち度はないにもかかわらず…。監督本人そして関係者は当惑している」とする旨の情報が外部関係者から弊社へもたらされた。

全柔連メンバーの影響力

 柔道界関係者によると、「東亜大学女子柔道部の監督交代は、事実上の解任ですね。当時の監督は、選手での実績がありながら、それをひけらかすことなく、真摯に指導に取り組み、大学院でも学ばれていました」と語る。

 そのようななか、昨年(2019年)の春に、国内柔道界の“重鎮”とされる人物が同部の指導陣に加わった。この人物は全国柔道連盟(全柔連)のメンバーにも名を連ねている。

 「大学では“教授”ですね。当初は男子柔道部を指導しており、その人物がこの女子柔道部監督へもアドバイスを送るなど、良好な運営であったのです。しかし、突如解任しました。櫛田理事長兼学長は、その“重鎮”とされる人物に柔道部のマネジメントの全権を委譲したのです。その“重鎮”が『女子の監督は指導力ゼロ。見込みがない』と断じ、学園トップの許諾を得て解任させたのです。全柔連の元理事で、今もメンバーにも名を連ねており、柔道界では“それなり”に影響力はあります。しかし、以前福岡県内の県立高校の指導をしておりましたが…。これ以上詳細は述べませんが、察してください(つまり指導能力なしということ)。柔道のことがわからない櫛田理事長兼学長が“全柔連”というブランドに靡いて、その“重鎮”に柔道部のすべてを任せているのです。それを良いことに、“重鎮”は柔道部を私物化し、専横的なマネジメントを行っています。女子柔道部は崩壊状態で、今年の新入生にも悪影響をおよぼすでしょう。その“重鎮”が女子柔道部監督を解任させた首謀者です。現在は、東亜大学の職員で“重鎮”の出身高校柔道部のOGを指導者として置いている状態です。つまり現監督は“重鎮”の命令通りに動く人物です」と明言した。ほかにも同様の話が寄せられている。

 “重鎮”については、「全柔連による助成金の不正受給・不正流用問題が13年に発覚した際には、関与した人物の1人に上がっておりました」という証言や、同学の“教授”ではあるが「学内で教鞭をとっているのかどうか?わかりません。柔道部の指導についても週に2、3回道場に出てくるかどうかという程度です」(前出関係者談)と、同学内で実働しているのかも不透明という。

 そして前述通り、女子柔道部に関しては空中分解の状態となっており、正式な指導者も不在ともいえるありさまである。何の目的で何の利益のために、当時の監督を更迭させて、女子柔道部を崩壊させるような行為が実行されたのか?まったく理解できない事象である。不可解なトップマネジメント=櫛田理事長兼学長の無責任な大学統治が、すべての根源となっている。そして柔道界でも物議を醸した人物の1人で、同学内で実働しているのかさえ不透明な“重鎮”の存在が、女子柔道部を食い潰している。

 「本当に許せない行為ですが、大学のなかのことですので、外部の人間が介入することができないのです」

(つづく)
【河原 清明】

(3)
(5)

関連記事