2024年04月26日( 金 )

危機認識・検査拡大・経済対策即時実施が不可欠

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事から一部を抜粋して紹介する。今回は現在の状況は「緊急事態」なので国民の生存を保障することを最優先すべきだと訴えた4月1日付の記事を紹介する。

 国会審議における中核野党の存在感が低い。国民民主党が自公側に寝返っている印象が強い。このような時期であるからこそ、国会の役割、野党の役割が大きい。
 野党はこのような局面でこそ真価が問われる。しかし、国民民主党は公明党と変わらぬ質疑を示す。主権者に対する裏切りというほかない。
 現下の局面で実行すべき3つの重大事項がある。第一は、現状に対する危機意識を共有すること。現状は明らかに「緊急事態」だ。インフル特措法を改悪して「緊急事態」を法律事項にしてしまった。そのために「緊急事態」であるのに「緊急事態」であるとの認識を共有できない状況が生み出されている。
 第二は、検査体制の拡充。感染拡大を抑止するには検査を全面的に広げる必要がある。軽症、無症状の感染者が多数存在すると考えられる。検査を広げなければ、この感染者を確認できない。感染を確認しないから感染拡大が促進されている。
 2月3日に帰港したダイヤモンド・プリンセスの乗客・乗員に対して安倍内閣はPCR検査を渋り抜いた。それから2カ月の時間が経過するのに、いまなおPCR検査妨害を続けている。万死に値する愚行というほかない。加藤勝信厚労相の責任は重大だ。
 第三は、コロナ経済対策を直ちに決定して実施すること。コロナ経済対策においては、「迅速」「簡素」「直接」の三要件を基準に対応すべきだ。米国は2兆ドル対策を一気呵成に決定して実施に移した。安倍内閣の対応は最低・最悪だ。言葉だけで実行がない。
 直ちに実行すべきことは消費税廃止と1人10万円の一律給付。1年間の必要費用は消費税で22兆円、給付金で12兆円だ。60兆円の経済対策としているのだから、直ちに、この2つを決定して4月から実施すべきだ。
 迅速に実施するには簡素にする必要がある。だから、税率ゼロ、一律10万円支給を決定すべきだ。国会審議ではこの3点を厳しく問い、結果を引き出すことが必要なのだ。
 質問をして反論され、「この点を踏まえて検討いただきたい」で質疑を終えるなら、質疑をする意味がない。政府から、現状を変更する明確な言質を取ることが肝要なのだ。
 すでに日本では感染オーバーシュートが始動している。安倍内閣が検査を妨害しているために、この現実が把握されていない。同時に検査妨害が感染拡大を一気に加速させる主因になっている。
 法律事項としてではなく、「緊急事態」であるとの意識を共有することが重要なのだ。
 経済活動を一時的に抑制する必要がある。そのときに重要なことは、国民の生存権を保障することだ。イベントなどを中止しなければ感染拡大を抑止できない。その際、重要になることは、イベントから収入を得ている者の生存を保障することだ。収入を断たれた個人に対して、雇用保険と生活保護制度を全面的に活用すべきだ。

※続きは4月1日のメルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」「迅速・簡素・直接の真水60兆円対策具体案」で。


▼関連リンク
・植草一秀の『知られざる真実』

関連キーワード

関連記事