2024年04月27日( 土 )

進化する不動産デザイン企業 大分で最大スケールの住宅開発

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コンダクト(株)

和田 克之 社長

 地場に先駆けたウィークリーマンション運営やSPC活用による不動産開発など、時代に合わせて事業を変化・対応させてきた(株)コンダクト。2006年には、業界初となる中小企業向け信用格付けで「シングルa」()を取得するなど、外部からの評価も高い。

 近年注力しているのが、17年から手がける大分県最大の分譲団地「コンダクトタウン新・京が丘」(大分市京が丘)を始めとする不動産再生事業だ。この分譲団地は元々、高速道路のICや商業施設に近接という好立地に加え、海抜100mの安全性を売り物にした他社企画の物件だったが、開発途中で頓挫していたもの。M&Aにより、団地の強みである「安心・安全」に磨きをかけて見事再生に漕ぎ着けた。監視カメラ設置などのIoTインフラを整備することによって、地震や河川氾濫などの防災情報を発信。立地を活かした住民の「安心・安全」に寄与する仕組みが整備された。また、街路灯やフラットライトの設置、各戸の門柱灯のルール策定により、“明るい”まちづくりも行われている。

コンダクトレジデンス戸畑

 このような付加価値によるブランディングを実現した一方、低価格化も実現したことで、第1期(121区画)、第2期(140区画)とも販売は好調に推移。今年3月末からは、第3期(116区画)の販売が開始された。1~2年後をメドに団地内への新たな商業施設の開業も計画されており、まちとしての機能・価値はさらに向上することになる。

 産学連携にも積極的に取り組み、九州大学大学院とも共同研究を続ける同社は、今年からはセミナーを開催。地域住民や取引先などのステークホルダーを対象に、防災・防犯などに関する情報を定期的に提供しており、今秋には北九州市戸畑区で9階建ての賃貸マンションも完成予定だ。単身者向けながら、防犯に注力した仕様と洗練されたデザインが特徴となっている。

 “コロナショック”による不動産業界の先行きについて、同社代表の和田克之氏は「バブル崩壊やリーマン・ショックとはまったく異質のもの。人心がどう振れるかが不透明で、追い風にも逆風にもなり得る。不動産業者によっては淘汰されるところもあれば、躍進するところもあるだろう。いずれにしても内部留保が不可欠」と話してくれた。

 北部九州・山口のまちづくりに貢献する同社の純資産は12億円。今後、さらに大規模な用地取得や大型不動産の取得へと舵を切ることになるだろう。

 

※スタンダード&プアーズと中堅・中小企業データベースを運用する日本リスク・データ・バンクが共同開発した、中堅・中小企業を対象とする信用格付け^


<COMPANY INFORMATION>
代 表:和田 克之
所在地:北九州市小倉北区浅野2-17-38
事務所:福岡、鳥栖、大分、下関
設 立:1994年11月
資本金:4億6,713万円(自己資本合計12億円)
URL:https://www.e-conduct.co.jp

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