高輪ゲートウェイ・駅前開発が本格化、計2万m<sup>2</sup>の歩行者広場も
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2020年06月04日 14:00

高輪ゲートウェイ・駅前開発が本格化、計2万m2の歩行者広場も

 山手線30番目の駅として、今年3月に開業した「高輪ゲートウェイ駅」――4月には国土交通省から民間都市再生事業計画の認定を、また内閣総理大臣による都市計画決定の認定をそれぞれ受け、駅周辺のまちづくりが本格始動した。JR東日本は約9.5haの車両基地跡地で南北4街区から構成する総敷地面積7万2,000m2、総延床面積85万1,000m2の「品川開発プロジェクト(第Ⅰ期)」を推進中だ。駅周辺の「まちびらき」は、2024~25年ごろを目指している。

第I期プロジェクト

 国土交通省から認定を受けた民間都市再生事業計画の内容は、JR高輪ゲートウェイ駅前に、文化・ビジネスの育成・交流・発信機能や外国人にも対応した居住・滞在機能など、国際競争力強化に資する都市機能を導入する。また、帰宅困難者対策や自立性の高いエネルギーシステムの導入による防災対応力強化、未利用エネルギーの有効利用や設備の高効率化などによって環境負荷低減も図られる。合計で約2万m2の歩行者広場やデッキレベルの歩行者ネットワークの整備、鉄道や地域交通機能の結節する交通広場の整備などに取り組む。事業施行期間は2020年3月12日~25年3月31日を予定。対象面積は8万5,634.11m2

超高層含むビル4棟を開発、「品川開発プロジェクト(第I期)」

 「1街区」は敷地面積約1万2,700m2(延床面積約14万9,000m2)、用途は住宅、教育施設、駐車場などで、地上45階・地下3階建の高さ約173m。
 「2街区」は敷地面積約8,000m2(延床面積約3万1,000m2)、用途は文化創造施設、駐車場などで、地上6階・地下4階建の高さ約45m。
 「3街区」は敷地面積が約1万3,000m2(延床面積約21万1,000m2)、用途はビジネス、商業、生活支援施設、駐車場、熱源機械室などで地上31階・地下5階建の高さ約167m。
 「4街区」は、敷地面積約3万8,300m2(延床面積約46万m2)、用途はビジネス、ホテル、商業、コンベンション、カンファレンス、ビジネス支援施設、駐車場などで、地上30階・地下3階建の高さ約164m。

全6街区で開発へ

品川開発プロジェクトイメージパース

 第I期工事の完了後には、「区域5」「区域6」が控えており、両区域の間には環状4号線が延伸する。ちなみに、環状4号線延伸部は都市計画決定の認可を受けたため、東京都が事業化する。「区域5」「区域6」は30年代以降が本開業になるとみられる。

 広場も形成し、デッキ(2万1,755.06m2)、街区間デッキ(1,745.24m2)、地上(2万2,813.74m2)、交通広場(3,521.89m2)を予定している。今年3月着工で、25年3月31日に竣工予定だ。現在、JR東日本はグループ経営ビジョン「変革2027」を策定し、「ヒトを起点とした新たなサービスの推進」に取り組んでおり、「CITY UP!」をスローガンに多様な魅力あるまちづくりの実現を推進。この「品川開発プロジェクト」もその一環に位置付けられている。「品川開発プロジェクト」にかかわるまち全体のデザイン構想については、世界的な著名なデザイナーによるコラボレーションとして「Pickard Chilton(ピカード・チルトン)」と「隈研吾建築都市設計事務所」を起用し、日本の新たな玄関口となる国際拠点にふさわしい景観を実現する。

 街全体のデザインは、各街区の複数建物を「日本列島の島々」に見立て、「列島」を創出する。かつての海岸線を想起させる滑らかな歩行者ネットワークを整備し、低層部は各建物の豊かな緑を連ねることで、都市に緑の丘を構築。高層部は頂部に統一した動きをつくり、分節で強調した建物コーナーをJR高輪ゲートウェイ駅前広場や結節空間に向けることで建物同士のつながりをもたせる。各建物が個性をもちながらも「群としての一体感」を表現、JR高輪ゲートウェイ駅前は、「エキマチ一体のまちづくり」の象徴として、和を感じられるデザイン駅と、緑豊かで滑らかな曲線をもつ4街区建物によってつくり出される「360度の広場空間」を形成することなどを指針とした。

 建物デザインとしては、「象徴的なアイデンティティの創出」「ヒューマンスケールな空間表現」「海岸線を想起させる全体デザインに調和する『フロー』が生み出す良質な空間形成」を指針としている。

髙輪ゲートウェイ駅の内部

東京のサウスゲート

 品川開発プロジェクトではまちびらきに向けて、新たな文化・ビジネスが生まれ続けるための仕組みづくりを行っていく。その一環として、世界中からこの場所を舞台に新たなものを生み出したい人々、それを支える人々を集め、共創していくための取り組みとして、「TokyoYard PROJECT」と名付け、まちびらきに先行して活動を開始する。

 東京都は「品川駅・田町駅周辺まちづくりガイドライン2014」で、品川地区を東京のサウスゲートと位置づけた。国際的なビジネス拠点、グローバルな居住環境、大手企業とスタートアップ企業の融合による競争力の向上、国家戦略住宅整備事業の制度を適用する第1号プロジェクトなど、話題に事欠かないエリアだ。都は、職住近接地域としても品川を大手町・丸の内・有楽町のいわゆる「大丸有」と並ぶ拠点として格上げする方針を示している。27年には、リニア中央新幹線の品川~名古屋間が開通予定で、品川の地位はさらに高まることが予想される。JR東日本は既存の品川駅の拡張も視野に入れ、駅と街の内外ににぎわいをもたらすことで「エキマチ」の一体開発を進めている。

 歩いても楽しい街をつくり、気が付いたら端から端まで歩いていたという空間を検討するなかで、JR東日本は将来的に品川駅とJR高輪ゲートウェイ駅との回遊動線も構築する計画だ。JR東日本の品川に対する位置づけは、「東京のサウスゲートにふさわしい街をつくる」ことにある。世界中から旬な情報が集まることによるビジネス創造、国際会議が開催できるようなさまざまなコンテンツを集積し、今後のまちびらきにつなげる方針だ。

南北方向整備断面イメージ

【長井 雄一朗】

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