「海抜ゼロm」「木密」対策~大都市・東京の整備計画とは(3)
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【木密、不燃化対策】不燃化を促進
30年以内に約70%の確率でM7クラスの首都直下地震が起こると予想されている東京では、大震災に備えた防災対策も進められている。
東京の戦後復興は、道路や公園などの都市整備基盤が十分に整備されないまま、JR山手線の外周部から外に広がる地域を中心に、木造住宅が密集してつくられてきた。こうした都内の木密地域(約8,600ha、※1)では、大地震で急速に火災が広がることが懸念されている。だが、住民の高齢化や、狭小敷地などに建てられ道路の幅員が狭いこと、複雑な権利関係などの課題から、建替えが進んでいないのが現状だ。
東京都都市整備局は「防災都市づくり推進計画」のなかで、23区で老朽木造住宅がとくに密集し、震災時にとくに甚大な被害が想定される「整備地域」を28地域(約6,500ha、※2)、そのうち防災都市づくりに資する事業を重層的かつ集中的に行う「重点整備地域」(不燃化特区)を53地域(約3,200ha、※2)指定している。
「整備地域」の不燃領域率(市街地の燃えにくさを表す指標)は約62%(16年時点)で、30年までに全地域で市街地焼失率がほぼゼロになる70%を目指す。「整備地域」では規制誘導策を活用し、敷地の細分化を防止して建替えによる不燃化を図るとともに、無接道敷地における建替え、住宅の共同化(マンションなど)などにも取り組む。
また、「延焼遮断帯」に囲まれた市街地においても、避難や救助活動のルートになる「防災生活道路」を整備し、無電柱化を推進。今後は、建物の不燃化や延焼防止のための空間確保に取り組むとともに、魅力的な街並みの住宅市街地の創出を目指す。さらに、「不燃化特区」では、耐火または準耐火建築物の戸建住宅や共同住宅の建替えを助成している(区が老朽建築物除却費や設計・工事監理費を助成)。
※1:築40年を越えた老朽木造住宅が密集する地域
※2:20年7月13日時点の地域のため、今後の計画改定で変更になる可能性あり(つづく)
【石井 ゆかり】
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