2024年03月29日( 金 )

糸島市運動公園の誕生、3つの機能を備えた交流拠点へ(3)

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防災拠点としての役割

「糸島市運動公園」
左:完成時の俯瞰図イメージ(南西から)/右:計画地の現在の様子(南西から)

 糸島市運動公園は、現・雷山運動広場(所在地:福岡県糸島市蔵持681-1)およびその周辺エリアで計画されている。雷山運動広場のほかにも、11カ所(図1参照)が候補地に挙がっていたが、他の候補地と比べて水害が発生しにくいという点や、玄海原子力発電所から半径30km圏外の場所という点など、災害発生時の防災拠点としての適性を考慮。加えて、計画地の大半が市の所有地であり、用地取得費用を軽減できることから、雷山運動広場およびその周辺エリアが最適であると判断された。

 糸島市運動公園は21年7月着工、23年7月供用開始を予定しており、計画地全体の敷地面積は約5.8ha。のどかな田園風景のなかに、東京ドーム規模の新たな交流拠点が誕生することになるため、市内外から相応の注目を集めている。

 計画地の選定に際して、防災拠点としての適性が重要視されたのは「運動公園等整備構想に関する市民アンケート」の結果による。近年、福岡西方沖地震(05年3月)、九州北部豪雨(12年7月)などの地震や豪雨災害が発生したこともあり、災害時の避難所や防災拠点(備蓄倉庫)としての機能を公園に求める市民の声が増加したと考えられる。

 駐車場は常時約210台(うち障がい者用5台)で、臨時駐車場として最大約620台分のスペースが確保される。また、駐輪場は約210台分を確保するほか、屋外トイレや屋外倉庫、雨水貯留施設や緊急用ヘリポートなども整備される計画だ。

 市民からの要望としてほかには、「コンサートや文化イベントの開催が可能な施設」「健康づくりの拠点(介護予防・生活習慣病予防)」「市民の交流・憩いの場」「プロスポーツの誘致、開催が可能な施設」が挙げられた。

 市は、こうした市民の声を可能な限り計画に組み込んでいる。市民からの「家族みんなで楽しめる運動公園があれば」という願いから始まった糸島市運動公園整備・管理運営事業は、まさに市民の声に応えた大型事業なのだ。

(つづく)

【代 源太朗】

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