糸島市運動公園の誕生、3つの機能を備えた交流拠点へ(2)
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コンセプトは「みんなの」
無論、誰もが諸手を挙げて賛成したわけではない。「50億円を超える事業費を削減すべきだ」という声や、メジャースポーツである野球やサッカーをプレイ可能な専用グラウンドが整備の対象外になったことで、「(市民の)実際の声を反映していない」という声が挙がった。
こうした背景から、18年1月に行われた糸島市長選挙では、糸島市運動公園整備・管理運営事業の在り方が争点の1つとなった。現職と新人の一騎打ちという構図でも話題となった同選挙だが、結果は現職の月形祐二氏が1万1,351票の得票差を付けて当選。
当初の計画に沿って同事業が進められていくなかで、施設の整備方針として掲げられた4つのコンセプトを満たすために、「総合評価一般競争入札」により、公共施設などの建設、維持管理、運営サービスで多くの実績を有する(株)合人社計画研究所(本社:広島市中区、福井滋代表)を代表とするグループが事業者に選定された。
4つのコンセプト
(1)みんなで、みる・する・ささえる―運動施設―
(2)みんなの 憩い・いきがい―交流空間―
(3)みんなの 生命を守る―防災拠点―
(4)いとしまの豊かな自然の象徴―自然・環境共生施設―目指すのは、市民に広く親しまれ利用される魅力的な公園。市民が日常的に足を運べるような公園であることはもちろん、市内のスポーツ大会の開催場所として、さらには全国的なスポーツ大会(国民体育大会などを想定)の開催場所としての利用も視野に入れる。
また、メインアリーナおよびサブアリーナなどの屋内運動施設は、イベント開催時の会場としての用途も考慮されている。たとえば、糸島市成人式は例年、市内3カ所で分散開催されている。これは、市内に1,000名規模の式典参加者を集約できる場所がないためだが、糸島市運動公園の誕生により、複数箇所で並行して式典準備を行う時間と労力の解消、新成人が一堂に会することによる交流の促進が期待される。
このほかに、武道場はもちろん、会議室やカフェスペース、キッズルームなども整備されるため、企業主催のセミナー会場として、市民サークルの活動の場として、ヨガ教室など個々人が技能を生かす場として、幅広く活用することができる。
(つづく)
【代 源太朗】
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