“自然利用か、自然破壊か”糸島にそびえ立つ最大10基の風力発電機(3)
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糸島市と唐津市の行政界・女岳の七山側で計画されている「(仮称)DREAM Wind 佐賀唐津風力発電事業」。事業者の大和エネルギー(株)(大和ハウスグループ)は、2020年7月7日~同年8月11日にかけて配慮書の縦覧を行うなど、環境アセスメント(※)ガイドに則って計画を進めている。しかし、糸島市側の計画地の周辺住民からは「そんな話はまったく知らない」との声が聞かれ、一部で反対運動が起きる事態にまで発展している。
※環境アセスメント
自然環境に悪影響を与えないように事業内容の評価を受け、環境保全の観点から望ましい事業計画をつくるための制度。事業が開発地域におよぼす影響について事業者自らが事前調査を行い、その後、地元住民や専門家、環境担当行政機関からの意見を募る。 ^豊かな自然が魅力のはずが
同じく計画地が行政界に入る糸島市。山の緑と、海の青が生み出すコントラストが美しく、“映えスポット”や“プチリゾート地”として全国的に知名度が高まっている。交流人口だけでなく、移住による定住人口の増加もはたしている同市だが、DW事業に関して担当課に問い合わせたところ、「確認しましたところ、この件に関しましては、回答する立場にございません」と沈黙。
市の観光資源であり、移住者が糸島を選択する理由の1つでもある「豊かな自然」への影響が不可避であるDW事業。民間企業が環境アセスメントという手続法に則り進める事業に対して、口出しできる立場にないというのは理解できるが、せめて「事業者に対して適切な住民説明会の開催を求めます」の一言ぐらいは欲しかったというのが、糸島で育った筆者の思いだ。
糸島市内では一部で反対運動が起きているほか、計画地の周辺住民ですら「初めて知りました」という状況だ。事業者の大和エネルギーからすれば、20年7月から約1カ月間情報開示は行っていたという言い分があるだろう。しかし、市民に対する周知徹底がなされていたのかについては、「ノー」と言わざるを得ない。
(つづく)
【代 源太朗】
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