豊富な地域資源の活用で再興を図る大牟田市の未来は――(5)
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住み、働き、にぎわう持続可能な快適環境都市へ
大牟田市では04年3月、都市計画に関する基本的な方針として、概ね20年後を目標年次とする「大牟田市都市計画マスタープラン」を策定した。その後、九州新幹線や有明海沿岸道路などの都市基盤整備の進展や人口減少などの社会経済情勢の大きな変化を受けて、19年3月にマスタープランを改定。また、市街化調整区域内の土地利用に関する整備および保全の方針を明らかにするため、大牟田市市街化調整区域の整備保全構想も併せて策定した。
マスタープランで設定された都市の将来像は、「住み、働き、にぎわう持続可能な快適環境都市」で、今後の人口減少や少子高齢化に対応した、市民にとって利便性の高い、持続可能なまちを目指すものとしている。都市整備にあたっての基本理念は、(1)「住み・働き・にぎわう市民がいきいき暮らせる都市づくり(交流・活力)」、(2)「市民が安心して便利に生活できる住みやすい都市づくり(利便・快適)」、(3)「愛着と誇りのもてるふるさとをみんなでつくる都市づくり(郷土・協働)」の3つで、市域を地形条件や地域特性に基づき、都市全体の開発・保全のバランスの視点で8つのゾーン(産業地、住宅地、文教・医療、観光交流など)に区分していく。
また、「都市拠点」に設定されている大牟田駅から新栄駅にかけての中心市街地周辺には、市の玄関口にふさわしい都市空間を形成するほか、「地域拠点」となる吉野地域、手鎌地域、三池地域、勝立・駛馬地域、三川地域の5地域には地域の人口規模に応じた都市機能増進施設を誘導していく方針としている。「広域交流拠点」には、主要な交通結節点または集客施設が存在する新大牟田駅周辺、岬町地区、三池港周辺地区の3つが設定されており、多くの人が交流する拠点を形成していくほか、テクノパークとエコタウンの2カ所に「産業拠点」として産業を集積していく。ほかに小学校校区単位で地区拠点が設定されており、「基幹公共交通軸」「主要道路軸」「自然軸」の3種類の軸によって各拠点同士をつないでいくかたちだ。
なお、マスタープランには、18年3月に策定された大牟田市立地適正化計画も盛り込まれている。これは、市民生活に欠かせない医療・福祉・商業などの都市機能や居住の適正な誘導を図ることで、公共交通と連携したコンパクトな都市づくりを推進するもの。これにより、今後の急速な人口減少や少子高齢化に対応した「市民にとって利便性の高い、持続可能なまち」を実現していく。
マスタープランの目標年次は概ね20年後の2039年だが、進捗状況を概ね5年ごとに評価・検証し、経年変化に応じた見直しも随時行いながら、都市の将来像実現に向けてまちづくりを推進していくとしている。
(つづく)
【坂田 憲治】
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