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2020年11月30日 17:06

【凡学一生のやさしい法律学】詭弁の論理学(3)

 詭弁は、確実に日本の民主主義を破壊している。日本に真の民主主義を実現させるためには詭弁の存在形式を理解し、詭弁を少なくとも日常の社会生活から排除しなければならない。詭弁の論理学は、今の時代にもっとも必要な社会知見である。詭弁はわかりやすくいえば「うそ」であり、「うそ」が蔓延する社会がまともな社会である筈がない。

(3)第2の詭弁:「もう呼ぶな」

 この文言は橋下氏の発言を批判したものではないため、橋下氏は反論する立場にない。それにもかかわらず橋下氏は、この前川氏の表現を強く非難した。まるでテレビ局の弁護人である。

 前川氏にはテレビに出て橋下氏と議論したいなどという気持ちは毛頭ないにもかかわらず、橋下氏は、批判するなら「もう呼ぶな」ではなく「自分をテレビに出してくれだろう」と、前川氏の主張の骨子が偏った論評(と前川氏には写った)にあることを、故意に「出演の要請問題」にすり替えた。この発言は、橋下氏が、自分の具体的発言を争点にすることを強く回避したいと考えていたことを示している。

 筆者はこのテレビ番組を見ておらず橋下氏の発言を知らないが、橋下氏がこの発言を争点とすることを強く回避していると感じる。議論に自信のある橋下氏があらかさまに回避をするのだから、やはり前川氏の批判は的を射たものと考えられる。橋下氏には、少なくとも発言の根拠を説明することができないことは明白である。

(4)第3の詭弁:「正々堂々」

 前川氏に対して「テレビに出て橋下氏と対面で議論することが正しい批判の在り方であって、ネットで批判することは『正々堂々』ではない」との反論がなされた。これもまた批判の内容から、批判がネットでされたことに対する問題への議論のすりかえとなっている。匿名の批判であれば無視されたであろうが、高名な言論人が名を名乗って行った批判であっただけに、あたかもネットでの匿名批判かのごときレベルに扱った。自分が「反論」をネットでしているのもかかわらず、あきれた矛盾論である。

(5)第4の詭弁:「いっぱい聞きたいことがある」

 もっとも下品な恫喝的発言であり、前川氏の批判に対する反論とは無縁のものである。
前川氏にはいっぱい非難される言動言説があるかのような反論であり、人格攻撃に近い。何も知らない人にとっては、まるで前川氏には人を批判する資格などないと反論されているように聞こえる。橋下氏は、このような下品で論理性のない反論を堂々と行うため、かえって聴衆受けするのだろう。

 なお、筆者は最近の橋下氏の言説では詭弁が目に余るため、橋下氏がテレビで披露した詭弁の例を以下に示す。

3. 総裁選をめぐる派閥争いの正当化

 橋下氏は自民党の総裁選での「派閥争い」について、政治家の「権力闘争」であって当然のことであるという旨のコメントをした。

 これは「派閥争い」という具体的なことがらを、「権力闘争」という抽象度の高いレベルに言い換えた詭弁である。このレベルであれば、政治家なら権力闘争をある意味で正当な業務として行うという「言い換え」が可能となるためである。

 派閥争いの真の理由は権力闘争ではなく、利権や議員の再選のための行動である。国務大臣になることはその資質・能力とは無関係に確実に知名度を上げ、再選に極めて有利となるため、自民党議員のなかには大勢の「大臣指名待ち」がいる。派閥に属さなければ事実上は国務大臣になれないため、派閥に属し、総理大臣の指名競争の時点から勢力争い(数合わせ、人数争い)を展開する。このような状況を国民は知っており、毎回、派閥争いを批判的に見ている。これを、政策上の争いを意味する権力闘争に言い換えたことが、まさに詭弁の詭弁たる所以である。

(つづく)

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