2024年07月22日( 月 )

【立憲民主党】「コロナ対策を優先」で問われる、枝野代表の「戦闘力」

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内閣不信任案に消極的な枝野代表

立憲民主党・枝野代表の会見

 日本学術会議任命問題から臨時国会の幕が開け、コロナ第三波感染拡大対策の遅れ(GoToトラベル東京除外の未決断)や「桜を見る会」前夜祭の安倍前首相の虚偽答弁――これだけ攻撃材料がそろっているにも関わらず、野党は菅政権を十分に攻め切れないでいる。これについて、いまだに内閣不信任案提出に否定的な野党第一党・立憲民主党(枝野幸男代表)の消極性が主原因ではないかとみる向きは多い。会期末まで1週間を切った11月30日、枝野代表会見で単刀直入に聞いてみた。

 ――「桜を見る会」前夜祭の関係で安倍前総理の嘘が濃厚、虚偽答弁が明らかになった。嘘が罷り通るような国会審議は成り立たないのではないかという声もある。内閣不信任案の提出、コロナを除く審議拒否をする考えがあるのか。合わせて、農水大臣不信任案を出す考えはないのか。種苗法改正でも嘘八百の答弁が農水省から出ていて、農家が窮地に陥るリスクを過少評価してグローバル種子企業の「種の支配」を許す恐れが十分あると思うが。

 枝野代表(以下、枝野) まずコロナウイルスへの対応で、本当に食べられないという状況で年を越せない。年末というのはどうしても商慣習でその段階でも資金繰りがつかないと倒産を余儀なくされる方がいる。そして現下の感染拡大の状況は、これは急いで手を打たないと、(感染が)どんどん広がっていく一方だ。したがってコロナ対策を急がないといけないことが最優先であるという姿勢で、他の問題については対応したいと思う。

 ――内閣不信任案を出す考えはないのか。

 枝野 まず、その前の段階だと。コロナについての施策を急いでやらせることにまずは徹底したい。

 ――種苗法改正についての考えは。

 枝野 それについてもコロナ対応が最優先だと思います。

「嘘つき首相」を放置していては国会審議が成り立たない

4野党議員ヒアリング

 私の目には、安倍前首相の虚偽答弁発覚という絶好のチャンスを活かしきれない「戦闘力不足」にしか見えない。一方、同党所属の森ゆうこ参院議員は「桜を見る会」前夜祭についての野党ヒアリングが開かれた11月24日、会見で次のように話していた。

 ――(野党が要求する安倍前首相の)参考人招致が拒否された場合、嘘が罷り通るということで国会審議自体が成り立たないのではないか。審議拒否、あるいは内閣不信任案などのどういう対抗手段に出られる考えなのか。

辻元清美衆院議員と森ゆうこ参院議員の会見

 森ゆうこ参院議員 国対とも相談して、きちんと対応しないといけないと思いますが、私個人的には、悪いけどやっていられないよと。この「加計・森友」、他にもいろいろな問題がありましたけれども、議論の前提が崩れていますし、何を議論しても意味がない、信じられないわけですから。まず、そこを正さなければ、どんな審議をいかに真面目にやっても、調査しても無駄になると。とくにこの4年間にも怒りを込めて、そう言いたい。議論の前提に立てないのです。資料は出さない。改竄をする、隠蔽をする、廃棄する、虚偽答弁。非常に重要な日本学術会議の問題、過去の会議録さえ否定する。意味がないと私は思う。

 種苗法改定に反対する集会に参加し続けている山田正彦・元農水大臣も11月26日、森氏と同じ考えを口にした。

 ――(種苗法改正を)継続審議に持ち込むべきだと。安倍前総理の嘘八百がわかった今、もう(国会)審議が成り立たないのではないか。

種苗法改定反対を訴える、山田正彦元農水大臣

 山田元大臣(以下、山田) そうです。「桜を見る会」でここまで来ているのだから、(安倍前首相の)参考人招致をやらない限り、(種苗法改正を)こんな拙速にやってはならない。しかも種苗法改定では、農水省が嘘を話していることが明らかになってきた。

 ――(種苗法改正で許諾料支払いが必要となる)登録品種も、農水省は1割でほとんど影響ないと説明しているが、あれも数字が小さすぎる。

 山田 「(許諾料支払いが不必要で自家増殖が引き続き可能な)在来種から品種登録をされることはない」とかを含めて、農水省は嘘を重ねてきている。そのことが明らかになってきている。こんなときに審議を急いで早急に採決をすることは許されない。

 ――グローバル種子企業(の種子支配)についても農水省は大丈夫だと言っている。

 山田 そんなことはありえない。もうすでに、(独立行政法人の)農研機構は民間に(種苗の知見を)譲渡している。それについて許諾料などの資料を明らかにしていない。そういった資料を明らかにしない限り、審議してはならない。

 ――(参院農水委員会の審議でも)紙智子参院議員が「いくら要求しても(農研機構は資料を)出してこない」と言っていました。

 山田 出して来ない。隠蔽したまま採決をしてはいけない。

 ――農業競争力強化支援法には民間に種苗の知見提供の促進と書かれているので、将来的には今まで蓄積した種苗の知見が民間企業に行ってしまう。そういう恐れがあるのに強行しようとしている。

 山田 そういうことを大変心配しています。

 種苗法改定は菅政権の新自由主義的な政策の1つだが、脱・新自由主義を掲げる枝野代表がこの種苗法改定阻止に向けて徹底抗戦をしないとおかしい。野党が不信任案提出に踏み切れるのか、枝野代表の覚悟が問われている。

路上でも種苗法改定反対を訴え。山田正彦元農水大臣

【ジャーナリスト/横田 一】

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