2021年12月05日( 日 )
by データ・マックス

糸島市新庁舎を通じて市民とともにまちをつくる(中)

急がれた老朽化への対応

 糸島市は2010年1月1日、当時の前原市、二丈町、志摩町が合併して誕生した。「糸島」の名の下に市として統合されたといえ、現実的な距離が縮まるわけではない。合併後しばらくは前原市庁舎を「本庁舎」、二丈町庁舎を「二丈庁舎」、志摩町庁舎を「志摩庁舎」として使用し、各エリアの住民にサービス提供を行っていた。

 この1市3庁舎体制が変更されたのが、15年4月だった。新市基本計画に基づき、消防本部を除くすべての機能を本庁舎に集約。新たに糸島市役所として始動し、市民が快適に生活を送るために必要な諸々のサービス提供を一手に引き受けるようになった(※)。

※:住民票の写し、戸籍謄抄本、印鑑証明書などの諸証明発行は、2020年3月31日まで二丈・志摩交流プラザでも対応していた。

 しかし、建物自体は1970年に建築された本庁舎をそのまま使用しているため、老朽化にともなう維持管理費増加への対処、「東日本大震災」や「熊本地震(16年)」の発生にともなう防災・危機管理対策の徹底が、行政上の重要課題となっていた。市民の生命・財産を守るためにも、市庁舎には施設としての健全性はもちろん、「防災拠点」としての役割がこれまで以上に求められていたのだ。

 市ではこうした状況のなか、あるべき庁舎の姿について調査・検討を重ね、17年3月、整備手法などを示した「糸島市新庁舎基本構想・基本計画」を策定。新庁舎建設に向けて、スタートを切った。

 市では、本庁舎の使用を続けるなかで、人口増にともなう行政需要の増加と多様化に対応すべく、複数回にわたって増築工事を実施。現状、5棟の庁舎が分散配置されており、利用する市民はもちろん、市の職員も不便を強いられている。

 市民へのサポートを遅滞なく行うためにも、使いづらさの解消は急務であり、新庁舎建設によって窓口を明確にすることが大切である。そして、周辺エリアとの一体整備による交流拠点としての機能がまちの活性化につながることで、新庁舎は真に糸島の新たなランドマークとして受け入れられるのだ。

(つづく)

【代 源太朗】

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