2022年06月27日( 月 )
by データ・マックス

CO₂有効活用で環境都市目指す「バイオマス産業都市さが」

清掃工場の排ガスを有効活用

 佐賀市は2014年、ごみ焼却熱時に発生する二酸化炭素(CO₂)で新たな産業を生み出す「バイオマス産業都市さが」の取り組みを開始した。この取り組みでは、16年まで約2年をかけて、ごみ処理場の排ガスから二酸化炭素を取り出して利用することで、有効性や安全性の検証を実施。野菜の栽培試験では、重量換算で通常栽培の約1.5倍に成長したほか、成分分析でも食品添加物の基準内であるなど、安全性も確認した。

 佐賀市は16年、この技術を(株)アルビータ(藻類培養・製造販売業)のアスタキサンチン培養のために、17年には王子マテリア(株)(ダンボール製造業)の排水処理工程における資源として、さらに、味の素(株)には製品製造過程で発生するバイオマス由来の資材用としての供給を開始している。市によると、CO₂の販売収入額は16~18年度で約220万円、19年度は約280万円、20年度(4~9月)は約650万円まで伸長した。

 「年々供給量は増加しているが、まだ収支は赤字状態。さらなる企業誘致に注力する」(佐賀市)としている。

二酸化炭素分離回収設備フロー
二酸化炭素分離回収設備フロー

「ゼロカーボンシティ」宣言も

 ドライアイス製造業者へのCO₂供給の検討も進められている。昨今、ドライアイスの国内生産量は減少しているが、これはCO₂を排出する生産プラントの減少に加え、液化炭酸ガスを優先してつくるために原料がドライアイス向けに回ってこないことが要因だった。通販や宅配用途でのドライアイス需要が増加してきたことを受け、市はドライアイス製造販売企業と製造に関わる関連法規への対応含め、協議を進めている。

 「バイオマス産業都市さが」推進の傍ら、佐賀市は20年10月20日にCO₂排出量を実質ゼロにすることを目指す「ゼロカーボンシティ」を宣言。「ごみ減量・リサイクルの高度化」「災害に強いまちに寄与する地域の再生可能エネルギーの創出と活用」「脱炭素化と域内資金の循環を意識した取り組みの推進」を掲げ、環境保全に根ざしたまちづくりを推進していく考えだ。

【小山 仁】

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