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2020年12月23日 10:00

【特集】これでいいのか産廃処理 安定型処分場への違法処理が常態化(1)

福岡県と佐賀県の産業廃棄物処理をめぐり、不適切で違法な処理方法が横行していることがわかった。業界関係者の告発で明らかになったもので、背景には「日本一安い」とされる福岡県の処理費用の問題と、「見て見ぬふり」をする行政の怠慢、さらになれ合いが横行しがちな業界事情があるという。

■厳格に規制される産廃処分

鹿児島県薩摩川内市の管理型処分場
「エコパークかごしま」
(鹿児島県HPより)

 産業廃棄物(産廃)は、廃棄物処理法などの法律や各自治体の条例に沿って、適正に処理することが定められており、産廃の排出業者(主に建設業者など)についても法律で排出者責任が定められている(循環型社会形成推進基本法第11条1項)。

 廃棄物の種類に応じた適正処分が求められるのは主に環境汚染のリスクを減らすためで、とくに建設現場などから排出される産業廃棄物は約20種類に細かく分類され、可能な限りリスクを低減することが定められている。そのため産廃処理については専門知識や専門施設が必要になり、排出業者は各自治体の許可を得た業者(産廃業者)に代金を払って処理を委託することがほとんどだ。

■3つに分かれる最終処分場

 データ・マックスでは、産廃業界で横行する不適切な産廃処理をめぐる告発を受けて調査を進めてきた。告発の内容は、「福岡と佐賀の両県全域で、長年にわたって産業廃棄物の違法処理が横行している」というもの。福岡県は排出業者が支払う処理費が国内で最も安いとされており、これはさまざまな業界事情が絡んだ構造的な問題だという。

 通常、産廃は排出業者から中間処理業者の手を経て最終処分(場)業者に渡ることになる。最終処分場は環境リスクを低減しながら産廃を安全に埋立処分できる施設だが、無制限に埋めることはできず、埋立できる廃棄物の種類などによって埋立量や施設基準が定められている。簡単に分類すれば、規制基準が軽い順に、「安定型処分場」「管理型処分場」「遮断型処分場」の3つに分かれる。

■違法処理が横行する構造的背景

 県内の排出業者が中間処理業者に支払う産廃処理費用の相場は、1m3あたり4,000円から5,000円。これに対して、中間処理業者が最終処分業者に支払う「安定型処分場」の処理費(持ち込み費用)は、1m3あたり5,000円から6,000円。「管理型処分場」は施設基準が厳格なため、処理費は1m3あたり4万円から5万円と高額になる。

 排出業者が中間処理業者に払う金額より処理費用のほうが高くなるため、通常であれば事業として成り立たないはずだが、これにはカラクリがある。1m3あたりの運送費を平均2,000円ほど上乗せすることで、〈逆ザヤ〉になることを防いでいるのだ。もっとも運賃のなかには燃料代や人件費も含まれるため利幅は薄く、自ずと廃棄物の「量」で売上を立てることが業界の平均的なビジネスモデルとなる。

 処理費用が高額な管理型処分場に出す場合には、追加料金をもらうことも可能だ。しかし、排出業者と交渉して追加料金を請求できる中間処理業者は少なく、利益を出すために無理してでも安定型処分場へ持ち込もうとする傾向が強まるという。

 排出費と処理費の〈逆ザヤ〉に加え、排出業者に正当な処理費用を請求できない〈力関係〉や産廃業者自体の体質の問題――産廃処理で違法行為や脱法行為が横行するようになったのは、こうした業界事情が生み出した構造的問題とみてよい。違法な処理は環境汚染リスクを高めることにつながるため、管轄行政が介入してでも改善すべきだが、複数の業界関係者は、「役人は間違いなく現状を知っているのに、見て見ぬふり」と告発する。

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【特別取材班】

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