2022年07月06日( 水 )
by データ・マックス

経営者が知っておくべき「社会課題とビジネスの関係性」

 社会課題解決に貢献することは、現代ビジネスの必須命題です。利己的に利益ばかりを追求するビジネスは、存在価値すらありません。自らのビジネスと社会課題を分離せず、一体として捉えることが必要なのです。しかし、それは口でいうほど簡単ではありません。では、どうしたらよいのでしょうか。今回は、社会課題とビジネスの関係性を紐解いていきます。

 ビジネスを成立させるための大前提は、21世紀に入って大きく変わりました。かつては「利益獲得」「競争優位」「自社の存続」が前提でした。自らの成功を追求することが、たとえ利己的であったとしても重要だったのです。しかしながら、環境破壊や情勢不安など社会に大きな問題を引き起こす結果となり、限界を迎えたのです。

 こうした背景から国連で2015年にSDGs(持続可能な開発目標)が採択され、社会の潮流が変わりました。ビジネスを成立させるための大前提は「社会の持続可能性」「利害関係者との信頼関係」「自らの存在意義」へと変わり、社会課題が重要な切り口として位置づけられるようになったのです。

 社会課題は「社会の持続可能性」のために何が必要かを探求した結果であり、周囲の共感を得て「利害関係者との信頼関係」を築くきっかけです。そして社会課題解決を目指してビジネスを動かしていくことで、「自らの存在意義」を示すことが可能になります。当然ながら存在意義を示すことができれば、投融資なども集めやすく、収益にもつながります。ビジネスを成長させるためにも、社会課題を扱うことは不可欠なのです。

 では、いかにしてビジネスで社会課題を扱えばよいのでしょうか。そのヒントは3つです。

(1)経営者の率先垂範
 経営者自身が真剣に社会課題に向き合い、社会に本当に必要なことは何なのか、自分自身はビジネスを通じて何を為すべきなのかを深く探求する。

(2)真摯な対話
 従業員や取引先、顧客などの利害関係者と、社会課題解決のために何が必要かを対話し、信頼関係を築き、本当に必要な価値を創発する。

(3)謙虚な相互学習
 デジタルの潮流など常に複雑に移り変わる社会環境を捉え、社会課題を扱うために、利害関係者同士が互いに助け合いながら、地道に実践学習を積み上げる。

 「社会課題解決に貢献するビジネス」というのは、一見すると壮大すぎたり、偽善的なものに見えるかもしれません。しかしながら、人間として本来やるべきことをやることにほかなりません。社会課題を扱うことは、単にビジネスの本質に立ち返る、ということでしかないのです。

 次回は、「人財に投資する」をテーマに寄稿いたします。


<プロフィール>
渋谷 健
(しぶや・たけし)/フィールド・フロー(株) 代表取締役
外資系コンサルティングファーム、国内ベンチャー、国内大手企業経営戦略室を経て2014年にフィールド・フロー(株)を設立。「事業に脚本を」をコンセプトに、戦略立案からシステム開発や人財育成までを総合的に提供するオープン・イノベーション実践活動を全国展開。経済産業省・農林水産省などの政策事業、北九州市・宮崎県などの地方創生事業、大企業・金融・ベンチャーなどの民間事業に、プロの事業プロデューサー/ファシリテーターとして関わる。

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