元岡の研究開発次世代拠点 大和ハウスが整備、22年開業へ
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2021年01月14日 07:00

元岡の研究開発次世代拠点 大和ハウスが整備、22年開業へ

九大との連携によるまちづくり

 2005年10月に開設した九州大学(以下、九大)の伊都キャンパスが位置する元岡地区(西区)は、福岡市の「第9次福岡市基本計画」において、「学生や研究者などが、新たな知を創造し、発信する研究開発拠点の形成を図る地区」と位置付けられている。

 九大・伊都キャンパスとの相互連携による、研究・開発・交流機能や、居住機能の拡充を促進する地区としてのまちづくりを展開することで、エリアの役割を明確化。これまで、福岡市産学連携交流センターの開設と増床、有機光エレクトロニクス実用化開発センターの誘致など、複数の研究開発拠点の形成が進められてきた。

 学術研究都市という付加価値の獲得が進められるなか、地域ブランディングの強化に向けて、元岡ではさらなる未活用地の利用について検討が続けられていた。そうしたなか、20年3月に「研究開発次世代拠点形成に係る土地活用方針」が策定され、同方針を踏まえて、九大との連携を通じての新産業・新事業の創出を目的とした「研究開発次世代拠点」の整備が決定した。

 開発地は、九大・伊都キャンパスの至近地で、同キャンパスからJR「九大学研都市駅」までを結ぶ学園通線沿い。主に、ダイハツ九州(株)所有地と福岡市土地開発公社所有地を合わせた3万1,224.68m2の敷地(住所:福岡市西区九大新町5-1~13、左図参照)となっている。ダイハツ九州はリーマン・ショックなどの社会情勢の変化により、開発センター計画を凍結していた。福岡市土地開発公社所有地に関してはいったん市が取得し、そのうえでダイハツ九州所有地と合わせて民間事業者に一括売却する方針となっている。

左:学園通線からの施設外観イメージ
右:研究拠点・交流機能の施設外観イメージ
全体配置イメージ

 研究開発次世代拠点形成 
コンセプト:九州大学を活用した研究開発次世代拠点へ~研究開発×交流×生活利便×居住~
 研究者や学生、民間企業(研究開発型企業、スタートアップ企業)が集積・交流する「職住近接」の環境を形成し、新産業・新事業が次々に生まれる研究開発拠点としての展開を目指す。

事業予定者は大和ハウスG

 広大な敷地を活用できるということもあり、その動向が注目されるなか、市に対して3グループが「研究開発次世代拠点形成」に対する提案書を提出。選考の結果、大和ハウス工業(株)を代表企業とし、西部ガス都市開発(株)、(株)九州 TSUTAYA、正晃(株)、大和情報サービス(株)で構成されるグループが事業予定者に決定した。

 同グループが掲げる事業コンセプトは「知と感性と創造を育む『結び目』となる拠点」。人やコト・モノが関わり合う出会いの『結び目』となるような交流拠点の創出を通じて、まちづくりや人材育成を目指す。達成に向けては、研究開発次世代拠点として、研究者の「気づき」と研究者間の「知の融合」を促進するほか、地域の情報発信拠点、地元住民と九大関係者、関連企業との新たなコミュニティ形成を図るためのイベントやワークショップの開催などが計画されている。

 施設が機能を十分に発揮できるようにするために、大和ハウスグループが導入を予定している機能は右記の通り。

 大和ハウスグループの提案価格は18億2,000万円。周辺で進む「北原・田尻土地区画整理事業」との相乗効果も期待される。また、日本における筑波、関西に次ぐ“第三の学術研究都市”の構築を目指し、福岡・佐賀両県によって推進されてきた「九州北部学術研究都市(アジアス九州)」実現に向けた機運の醸成につなげることができれば、元岡地区を含めた九大・伊都キャンパス周辺エリアは、貴重なモデル地区となるだろう。

 研究開発次世代拠点形成事業は産学官協働の成功事例となり得るのか、今後の動向が注目される。なお、施設開業およびまちびらきは、22年10月を予定している。

【代 源太朗】

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