2024年04月16日( 火 )

不動産市場のCO2ゼロ、再エネ化の動向「RE100」やESG投資を視野に(中)

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

鉃鋼ビルディング

複合ビルで使用電力の100%再エネ化 

鉃鋼ビルディング

 (株)鉃鋼ビルディングは20年12月、ENEOS(株)とすべての使用電力を再エネ由来として供給を受ける契約を締結した。同社が運営・管理する複合型オフィスビル「鉃鋼ビルディング」(千代田区丸の内)では21年1月より、ENEOSから再エネ由来100%の電力供給を受けている。 

 鉃鋼ビルディングは延床面積11万7,963m2で、本館が地上26階・地下3階・塔屋1階、南館が地上20階・地下3階・塔屋1階からなる大規模複合ビル。オフィスのほか、本館の地下1階と地上1階、南館の地下1階から6階までレストラン、ショップ、クリニック、コンビニなどの商業施設が入る。鉃鋼ビルディングは、大規模複合ビルとしては再エネ由来電力を100%導入する初の事例となった。 

 鉃鋼ビルディングが供給を受ける再エネ由来電力はCO₂排出係数ゼロの電力であり、ビル全体で年間8,000tのCO₂排出量の削減を見込む。今回の取り組みは、同社のSDGs(持続可能な開発目標)の取り組みの1つ。テナント企業は、RE100の再エネ進捗比率の報告や「エネルギーの使用の合理化などに関する法律(省エネ法)」のCO₂排出量の算定に再エネ由来100%の電力を用いることができる。 

 再エネ由来電力は、川崎バイオマス発電(株)が運営する川崎バイオマス発電所(非FIT木質バイオマス発電、3万3,000kW)と、ENEOSバイオマスパワー室蘭(同)が運営する室蘭バイオマス発電所(FIT・PKS[パーム椰子殻]バイオマス発電、7万4,900kW)から供給を受ける。PKSバイオマス発電はFIT再エネであるため、トラッキング付非化石証明書でCO₂を排出しない環境価値を調達している。 

(つづく) 

【石井 ゆかり】

(前)
(後)

月刊誌 I・Bまちづくりに記事を書きませんか?

福岡のまちに関すること、再開発に関すること、建設・不動産業界に関することなどをテーマにオリジナル記事を執筆いただける方を募集しております。

記事の内容は、インタビュー、エリア紹介、業界の課題、統計情報の分析などです。詳しくは掲載実績をご参照ください。

企画から取材、写真撮影、執筆までできる方を募集しております。また、こちらから内容をオーダーすることもございます。報酬は1記事1万円程度から。現在、業界に身を置いている方や趣味で再開発に興味がある方なども大歓迎です。

ご応募いただける場合は、こちらまで。その際、あらかじめ執筆した記事を添付いただけるとスムーズです。不明点ございましたらお気軽にお問い合わせください。(返信にお時間いただく可能性がございます)

関連記事