ぶらり美野島・昭和レトロのまちからワンルームのまちへ変貌中(1)
2021年2月8日 07:00
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博多のまちを南北に縦断する那珂川にかかるその橋を渡った先に、「昭和」のレッテルが糊付けされたまちがあるという。
令和3年の正月が明けたある日、雪でモノクロに霞むそのまちを歩いてみた。雪の舞う美野島商店街
年が改まった仕事始めの1月5日と福岡市内でも雪が積もった10日、福岡市博多区の美野島商店街と住吉界隈をぶらり散歩してみた。年末から日本列島に襲った寒気をもたらした爆弾低気圧の影響なのか、まちは静まりかえり、ほとんど人の気配もない。当然、昨年末から福岡県内でも感染者数が急拡大して「第3波」が到来したとされる新型コロナウイルスの影響も大きいのだろう。昨夏に訪れたときの賑やかさとはうって変わり、かじかむ寒さと相まって、美野島商店街はどこか寂しげだ。
美野島商店街で昭和40年代から菓子店「月花堂」を構える吉瀬みのるさんも、年末年始の人込みが懐かしいという。
「ぶらっとやって来る若い人はたしかに増えたけれど、みんなお菓子を1個だけ買ってそれでおしまい。私が若いころは、お友達や家族の分まで買っていったもんだけどね……。おかげさまで商売にはならないのよ」
近年、古くからつきあいのあった商店が次々と店じまいしたため、寂しくなったとぼやく吉瀬さん。美野島商店街の店舗は賃貸契約したものが多く、店主の引退を機に契約を終えて、まちを出ていくことが多いのだという。2代目、3代目、と続いていくような商店は稀なようだ。吉瀬さんの息子さんは少し離れた場所でパン屋を開いた。
お菓子やパンなどの商品はほとんどが手づくりで、味には自信がある。あまおうと生クリームをはさんだワッフルがおいしそうだ。「1個だけ」と言いたいところ、とりあえず5個を包んでもらった。
(つづく)
【データ・マックス編集部】
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