2024年04月29日( 月 )

高断熱・高気密住宅用資材のフビロを グループに加え、さらなる飛躍を狙う

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

(株)プレナム機工

フビロとタッグを組むことで期待できる シナジー、そして新たな事業の拡大

 空調機のなかにプレナムチャンバーという部分がある。温度、湿度、清浄度が調整された空気を室内の隅々まで行き渡らせるために設けられた空間を指すが、つまりは機器内に風をためて吹き出す。そうした役割を担うものだ。

 そう、(株)プレナム機工の社名の由来はここにある。新しい風を起こし、自分たちを取り巻く者たちと一緒になって事業を進めていこうという想いが込められているのだ。そんな同社の創業の志を象徴しているといっていい出来事が、2020年4月にあった。(株)フビロと業務提携し、同社をプレナムグループの一員としたことだ。

 フビロは多様な住宅資材・システム販売や施工を手がける、福岡と熊本と関東に拠点を置く企業だ。高断熱・高気密住宅用資材の普及に尽力してきた歴史をもつ。業歴を重ねるなかで積み重ねた豊富な品ぞろえとサービスが同社の強みで、新型コロナウイルスによる感染拡大が懸念されるなか、同社の気密・風量測定事業がいま脚光を浴びている。

フビロの社内。
プレナム機工グループとして、さらに活躍の場は広がる

 高断熱・高気密住宅に不可欠な「気密性」と「換気システム」に着目し、送風機や気密測定器などでその性能を数値でとらえるというもの。つまり住宅性能の「見える化」を実現するわけだが、こうして実現される清浄な空気がいかに感染予防に役立つかは改めて説明するまでもないだろう。

 配管資材や工具の販売を手がけるプレナム機工とフビロがタッグを組むことで生まれる相乗効果は、大いに期待できる。ともに福岡に拠点を有していることから、九州を縦貫する事業所網が構築されれば相互の商材供給などもスムーズだ。

 「フビロは面白い会社です。住宅資材・システム販売施工といったことはもちろんですが、そのほかにもテレビCMで話題のウルトラファインミスト-ミラブルや水素ガス吸引器として知られるAquaBancのKENCOSといった商品まで取り扱っています。グループ化は私たちが躍進するための起爆剤になるでしょう」と自信を覗かせる福吉浩樹氏。未来の可能性が、確実に広がったと語る。

提案力と配送スピードを武器に 価格以外で競合他社と渡り合う

 ここで改めてプレナム機工について紹介しておこう。44歳の代表取締役・福吉浩樹氏が率いる同社は鹿児島に本社を置き、福岡と鹿児島の2つの拠点を有して、沖縄を除く九州全エリアで冷凍や空調設備の資材や機器を扱う専門商社だ。創業は約30年前。福吉氏の父親が鹿児島でスタートしたが、その前社長が体調を崩したことがキッカケで若干22歳の福吉氏が登板することになる。当時は、頼りにしていた取引先が別業者に取り込まれてしまうなど惨憺たる状況だったというが、同氏は持ち前の行動力で新規開拓を成功させ、さらには大手メーカーの北部九州エリアでの代理店契約まで取付ける。逆境をものともしない福吉氏の強靭なフットワークが発揮された結果だ。

 こうして示されたトップの行動力が、今日では同社全体のカラーになっているようだ。営業スタイルの要は提案力と配送スピード。御用聞き営業ではなく積極的に取扱商品の優位性を紹介し、さらにはそれを使うことで工務店の業務改善まで促していく。大きな強みは商品を常にそろえていることだ。顧客の期待に即座に応えれば、自然に同社を頼りにするようになる。価格以外で競合他社と渡り合うために福吉氏が到達した手法だが、これが成長の源動力になった。

 同社が目指すのは、冷凍や空調設備の資材や機器を扱う専門商社として九州でトップの存在となることだという。将来的には九州各地に拠点を構え、そのエリアごとの顧客拡大を狙う。

魅力的な取扱商品 プレナム機工の快進撃はまだまだ続く

 また、取扱商品の強みもある。米国製パイプカバー「アーマフレックス」は、同社の独占的取扱商品だ。保温・断熱のほか結露防止にも優れた効果をもつため、冷凍・冷蔵設備の床下や壁内の配管工事では、もっとも信頼されている資材だという。とくに福岡はコンビニやスーパーの出店が活発なことに加え、冷凍や冷蔵のショーケースはドラッグストアなどのニーズもあるため需要が安定している。

今年9月に移転した鹿児島の新しい本社屋。
九州の南エリアを担当する

 この勢いに乗り、20年9月には鹿児島本社を移転した。少々手狭になっていた職場環境を一気に刷新し、社員たちがゆったりと業務に取り組めるものになったという。本社移転にフビロのグループ化。社員数は単体で28名だったものが、一気にグループ総数45名になった。

 社長との距離が近い会社。これは同社の社員たちが抱く会社の印象だ。中途入社ばかりの彼らにとって、以前の職場では話しかけることすらできないのが社長のイメージだった。しかし、福吉氏は少々違う。考えてみれば新卒入社は同氏だけ。世間一般の社長がどういうものかはともかく、平均年齢35歳ほどの社員たちに囲まれ、あるときは親父、あるときは兄貴、福吉氏の「人が好き」という気質も手伝い、親しいイメージがいつの間にか定着したようだ。

 本社屋の移転で、20年は同社にとって大きな変革の年となったが、快進撃はまだまだ始まったばかりだ。プレナム機工の社名通りに周囲を仲間に引き入れ、さらなる変貌を遂げていくのだろうか。

 福吉氏はまだ若い。しかも大いなる野望をもち、精力的に働く人物だ。これからのグループとしての動向に注目していきたい。


<COMPANY INFORMATION>
代 表:福吉 浩樹
所在地:鹿児島市東開町13-40(本社)
    福岡市東区松崎3-1-1(福岡営業所)
設 立:1992年11月
資本金:300万円
TEL:092-292-8608 (福岡営業所)
URL:http://purenamu.jp


<プロフィール>
福吉 浩樹
(ふくよし ひろき)
1976年1月、鹿児島生まれ。創業者である父親が体調を崩したため、22歳でプレナム機工(有)に入社、2010年に代表取締役社長に就任した。12年に取引先メーカーから北部九州での代理店要請を受け、福岡営業所を開設。20年、(株)フビロをグループ会社として迎え入れる。

関連キーワード

関連記事