2024年05月01日( 水 )

アパート販売から撤退し事業構造を大幅変革、IoT開発をフックに企業のDXコンサルで躍進図る(中)

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(株)Robot Home 代表取締役CEO 古木 大咲 氏
(4月1日に(株)TATERUから商号変更)

デベから多数の問い合わせ

 ――今期(21年12月期)から新たにセグメントとして追加されるAI・IoT事業ですが、主力となるResidence kitのサービス内容と強みは何でしょうか。

(株)Robot Home 代表取締役CEO 古木 大咲 氏
(株)Robot Home 代表取締役CEO
古木 大咲 氏

 古木 コロナ禍で、Residence kitへの問い合わせが目に見えて増加しました。賃貸管理には、オンライン内見などの業務効率化だけでなく、感染リスク対応も求められています。当社は創業時から、ITを使った不動産経営の自動化を目指してきましたが、コロナ禍がそれを後押ししたかたちです。デジタル化については政府も推進していますし、「やらなければならないもの」となってきたように感じています。国交省とは賃貸借契約のオンライン化における実証実験を、さらに大手家電メーカー・シャープとはデータ統一化による実証実験も進めています。

 管理会社や住宅デベロッパー、賃貸住宅オーナーからの問い合わせが多くなりました。新築時に導入したほうがコスト面で有利なので、とくにデベロッパーとの提携が目立って増えています。IoT開発はこれまで、単身者向けアパートをメインターゲットにしてきましたが、より幅広い間取りや構造に対応するため、BluetoothからWi-Fiへ通信規格を変更しました。これにより、戸建やファミリー向けマンションなど、より広く、部屋数の多い物件にも対応できるようになりました。Wi-Fiモデルを開発してから、100件以上のお問い合わせをいただいています。

 また、スマートロックや家電などは毎日使うので、入居者によるアプリ使用率が非常に高いのが特徴です。つまり、操作のたびにアプリを開くということで、アプリ内にテストマーケティング的に入れているサービスが思った以上に利用されていることもわかっています。プラットフォーム化ができつつあり、広告事業の強化にも着手しているところです。

 ――賃貸住宅オーナーがResidence kitを導入するメリットとは。

 古木 我々がリサーチした物件では、Residence kitを導入した物件は未導入の物件よりも、高い家賃で入居いただいております。つまり、バリューアップに有効だということです。ワンルームの場合、おおまかな導入コストは1戸あたり約10万円ですが、バリューアップによって2年弱で回収できるイメージです。現状は新築向けがメインですが、より大きな既存物件の市場でも十分に戦っていけると思っています。

 また、Residence kitはスマートロックやカメラなどのセキュリティや、スマートライトなどの機器を、個別ではなく一括して導入できる強みがあります。いくら便利でも、操作が面倒で使われないものでは意味がないため、すべての機器を1つのアプリで操作できるメリットは非常に大きいと考えています。

 マンションなどの集合住宅では、宅配ボックスに空きがなくて再配達になるケースも多いと思いますが、Residence kitならスマホでインターホンの対応が可能になるため、アプリでオートロックを開錠して、エントランス内に置き配を指示することもできます。また、朝に目覚ましアラームで起きるのではなく、自動でカーテンを開けて朝日を入れることで自然な起床を促すなど、そういったIoTならではの活用法にも価値があると思っています。今後はマーケティングも必要だと感じており、今春からはウェブCMを始めます。

※バリューアップ例

(つづく)

【永上 隼人】


<COMPANY INFORMATION>
(株)Robot Home
 (4月1日に(株)TATERUから商号変更)
代 表:古木  大咲
所在地:東京都渋谷区恵比寿南3-4-14-2F
設 立:2006月1月
TEL:03-6447-0651

(前)
(後)

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