2021年12月02日( 木 )
by データ・マックス

『脊振の自然に魅せられて』青空に映えるウワミズザクラ

 ウワミズザクラを背振山系で見たのは、2年前のことであった。

 2019年4月29日の脊振山系山開きの日が大雨になり、山開きを中止した。しかし、雨のなか登山者が来る可能性があるため、当日の早朝に山開き中止の告知を金山の登山口に貼りに行ったときに、早良区の坊主が滝登山口から花乱の滝上部の登山口に車で移動する途中で、ウワミズザクラの白い花が霧状の雨のなかに咲いているのを見つけた。幻想的な光景のなかでの出会いであった。

 そこから10m先の道標の真上にも、白い花が雪を被ったように雨雫の重みで垂れ下がっていた。ハイノキである。予期せぬ出会いに感動した。これらの花との出会いは、降り頻る雨のなかで山開き中止の告知をしにきた筆者へのご褒美であったかと思う。それから佐賀県の登山口へ周り、2カ所に告知を掲示した。登山口に近い林道脇でも、ウワミズザクラ2本を見つけた。

 昨年はコロナ感染予防対策で全国に緊急事態宣言が発令され、筆者は春の山行きを自粛したが、今年は4月15日に「脊振の自然を愛する会」のいつものワンゲル仲間4人で脊振山直下の谷へ山野草とムシカリ観賞に行った帰りに、ウワミズザクラを見学した。

 完成したばかりの林道を利用して椎原登山口から20分も車で走ると、花乱の滝登山口へ着いた。筆者は1週間前に開花の確認にきていたため、ウワミズザクラはちょうど見頃だろうと予測していた。

 登山口前に車を止め、空を見上げると白いウワミズザクラがちょうど満開であった。先輩 Tが「こっちのほうがたくさん咲いとるばい」と元気な声を挙げる。ここには、2本のウワミズザクラがあった。花はソメイヨシノと似ていないが、桜らしい木肌であった。

青空に映えるウワミズザクラ、桜の花とは思えない
青空に映えるウワミズザクラ、桜の花とは思えない

 純白の花をたくさんつけたウワミズザクラは、青空に吸い込まれそうに輝いていた。仲間とウワミズザクラの鑑賞にきた甲斐があった。仲間は美しいウワミズザクラの虜になっていた。

そよ風に揺れるウワミズザクラ
そよ風に揺れるウワミズザクラ

 登山口のハイノキも今年はたくさんの蕾をつけていた。ハイノキは花が咲く年と咲かない年があるが、今年は当たり年である。あと1週間で開花するだろうと考えて、ハイノキの開花を待ち望んだ。

 後日、撮影のために3度、この場所を訪れた。1眼レフと手振れ防止の三脚も準備して、青空のなか、風に揺れる白い花の撮影を満足の行くまで試みた。無風状態であったが、わずかな風が吹くのを我慢強く待ち、10分も経つと少し風が吹いてきた。「今だ」と感じた瞬間にレリーズのボタンを押すとシャッター音が響き、満足する写真が撮れていた。

太陽の陽に輝くウワミズザクラ、若葉と花が美しい
太陽の陽に輝くウワミズザクラ、若葉と花が美しい

 ここでの撮影を終えると、ウワミズザクラの開花の確認のために佐賀県の林道に車で行った。明るい太陽を浴びて、ウワミズザクラの若葉は陽の光に透けていた。白い花も逆光でキラリと輝く。何度かこの光景の撮影を試みたが、うまく表現できなかった。

 今年は満開のウワミズザクラに満足した。脊振山系では、ウワミズザクラは4本しか確認できていないが、来年もまた、この花に会えることを願っている。

2021年4月25日
脊振の自然を愛する会
代表 池田友行

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