2022年07月02日( 土 )
by データ・マックス

経営者が知っておくべき「 気づく力 」

 経営には課題解決が不可欠であり、そのためには「気づく力」が必要です。では、この「気づく力」とは一体どのようなものであり、なぜ経営トップやリーダーに求められてくるのでしょうか?

 「気づく力」が意味するところも昨今変化してきました。かつては、より多くの情報を収集し、より正確な答えを論理思考で見つけ出すことが重要でした。「解決策がどこかに存在する」という前提で、地道に積み上げていくPDCAモデル(Plan計画‐Do実行‐Check評価‐Action改善)に基づいていました。これは、安定成長する社会では効果的だったのですが、社会が複雑化し、解決困難な前例のない問題には対処が追い付かなくなっています。

 従来型の「気づく力」が通用しない象徴的な事例は、2020年に起きました。新型コロナウイルスです。たとえば、緊急事態宣言が出たら出張を止め、テレワーク中心で、会食などは中止しますが、宣言が解除されれば途端に出張し、対面業務に戻し、会食・宴会を始めた方々がいます。その行動には、論理的な分析よりも、「緊急事態宣言の有無」という感覚的な判断がうかがえます。これは過去に経験したことがなく解決策がないために、従来の「気づく力」が機能せず、冷静に考えれば疑問符が付くような行動をとってしまっていたといえます。

 では、今の時代には、どのような「気づく力」が必要になっているのでしょうか。まず、多様な観点で物事を捉えることが必要になります。社会が複雑になるほど、物事の見方は多様になっており、それぞれの観点から冷静にどう捉えているのかを確認することが第一歩となります。次に、実際に試行錯誤しながら最も必要とされる価値をつくり出す、デザイン思考による探求が重要になります。「本質的な課題を見出し適切な解決策をつくり出す」という姿勢を前提に、状況に合わせて臨機応変に対応するOODAモデル(Observe観察‐Orient状況判断‐Decide意思決定‐Act行動)が必要になるのです。

 このとき1つ注意すべきことは、決してPDCAモデルの「気づく力」が不要になったわけではない、ということです。つまり、先の見えにくい昨今において、経営トップやリーダーはPDCAとOODAのバランスの取れた「気づく力」を身に付けておくことが、課題解決には不可欠ということなのです。


<プロフィール>
渋谷 健
(しぶや・たけし)/フィールド・フロー(株) 代表取締役
外資系コンサルティングファーム、国内ベンチャー、国内大手企業経営戦略室を経て2014年にフィールド・フロー(株)を設立。「事業に脚本を」をコンセプトに、戦略立案からシステム開発や人財育成までを総合的に提供するオープン・イノベーション実践活動を全国展開。経済産業省・農林水産省などの政策事業、北九州市・宮崎県などの地方創生事業、大企業・金融・ベンチャーなどの民間事業に、プロの事業プロデューサー/ファシリテーターとして関わる。

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