2024年04月24日( 水 )

熊本に根差して68年、地場ゼネコンの取り組み

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(株)三津野建設

代表取締役社長 藤吉 一真 氏
代表取締役社長 藤吉 一真 氏

熊本震災の年に社長就任

 4月に創業68年を迎えた地場ゼネコン・(株)三津野建設は、熊本県内で分譲および賃貸マンション、コンビニエンスストア店舗、工場や倉庫などの建築を手がけてきた。とくに、セブン-イレブン店舗の建設工事では、県内トップクラスの施工実績を有する。また、精密機器メーカーの工場など、温度管理が厳格な建物建築も得意としている。最近では、サクラマチ クマモトの再開発において、建設JVの1社に名を連ねたことが記憶に新しい。

 熊本地震が発生した2016年に三津野建設の社長に就任した藤吉一真氏は、震災当時を次のように振り返る。「とにかく、現場の状況確認などでドタバタしていました。結果的に、社員の安全も確認できたほか、引き渡し済みの物件にもほとんど不具合は起きず、胸をなで下ろしました」。

 同社は地域の建設業では珍しく、同社のトップ人事は世襲制ではないのが特徴だ。そもそも、三津野建設の創業者は、大野繁氏、野口充氏、野田春男氏、諌山正義氏の4名で、社名もそれぞれの「野」をとって名付けられた。現会長で先代社長(4代目)も創業者の血縁ではなく、5代目の藤吉社長に至るまで、その流れが脈々と受け継がれているという。

 「会長に並走していただきながら、まだまだ事業承継の最中です。6代目につないでいくことが私の最低限の役割だと思っていますが、現状維持だけを考えると、事業は衰退してしまいます。何でもかんでも今まで通りが良いとも考えていません」(藤吉社長)――と、引き継いだベースを維持しつつも、新たな取り組みや現状の改善にも余念がない。

まずは就労環境整備

 同社では工程ごとの綿密な施工計画および工程管理、また厳格な検査体制などを徹底することで、品質を保ちながら工期を短縮し、コスト削減に努めている。また、手がけたすべての物件において、24時間体制でメンテナンス対応を行う。

 16年には熊本県の「ブライト企業」として認定された。ブライト企業認定とは、従業員満足度の高さや地域の雇用を大切にしていること、地域への貢献度の高さ、安定した経営などの要件を満たした企業を熊本県が認定するもの。SDGsの取り組みとも近い。今年度3回目の更新を迎える同社は、20年に社内評価制度を新設。現場を最重要視し、社内体制をしっかりとつくりあげたことで、安定した現場監理が行える環境を整備した。ブライト企業認定やSDGsは、地域のインフラをつくり守る建設業として、安定した経営基盤を維持しながら発展してくことを目指す同社の理念「人、地球にやさしい快適空間の創造」にも通じている。

 「これまで地域の多くの方に支えていただいたことで、当社の今があります。信頼いただいているお客さま、そして熊本の発展のために、これからもお役に立てれば」(藤吉社長)。

熊本 (株)三津野建設

【永上 隼人】


<COMPANY INFORMATION>
(株)三津野建設

代 表:藤吉 一真
所在地:熊本市東区健軍本町23-5
設 立:1953年4月
資本金:1億円
TEL:096-369-1281
URL:https://www.mitsuno.jp

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