アビスパ福岡 川森敬史社長インタビュー(前)
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J1に参戦しているアビスパ福岡が好調な戦いを続けている。18戦を終えて8勝5分5敗、勝ち点29で5位につけている。アビスパ福岡(株)代表取締役社長・川森敬史氏に、現在の好調ぶりや今後についてのお話をうかがった。
――18戦を終えた現在、リーグ5位のポジションについて、川森社長の所感を聞かせてください。
川森 おかげさまで好調を維持しており、サポーターの皆さん、スポンサー企業などのご支援いただいている各位に、心より感謝申し上げます。
選手1人ひとりがモチベーションと闘争心を高めて試合とトレーニングに取り組み、奮闘しています。加えて、選手をまとめる長谷部茂利監督が、新旧選手や8名の外国人籍選手1人ひとりと対話し、試合に出場する選手、メンバー外の選手ともに適切なコミュニケーションをきめ細やかに行っています。
とくに外国人籍の選手は5名登録しており、必然的にそのうち3名はメンバー外となります。長谷部監督は「選手一同を公平に見て、コンディションの良い選手が出場する」という方針を一貫しています。いずれの外国人選手も納得して日々奮闘しており、相応のパフォーマンスを出して試合やトレーニングで成果を上げています。長谷部監督のマネジメントが的確だと感じます。
何よりも、長谷部監督の目標達成に対する貪欲さと熱い想いが伝わってきます。もちろん現場での指導は、コーチ陣およびスタッフと連動しながら論理的な志向のもとで実践されている一方で、選手に伝えるときなどにお互いの想いを共有させています。私は試合時のドレッシングルームのミーティングに参加していますが、選手に対して褒める、叱るというメリハリがあり、論理的で情熱を込めた伝え方をしているため、選手にも正しく伝わっていることは明らかです。チームとしての一体感は、日増しに強固になっています。
――チームとしての一体感は、外から見ていても大変よくわかります。
川森 長谷部監督は、試合に出場する選手、ベンチの選手、メンバー外の選手が、どうすればそれぞれチームに貢献できるのかを最優先して、実践しています。
――ユース選手などの育成面でも成果を上げつつあると聞いています。
川森 選手の育成に関してはまだまだ課題が多く、もっと改善していかなければなりません。他方で、20年ぶりに寮をリニューアルして、寮内の練習場の人工芝を張り替えて、照明をLED化するなど、できることから整備しています。ユース選手のご両親や監督コーチ、スタッフからも喜びの声をもらっており、今後の活躍が楽しみです。
――クラブ経営もさることながら、プロフットボールクラブとしての機能が高まってきていますね。
川森 私がアビスパ福岡の社長に就任して、7年が経過しました。改めてわかったことは、J1で戦って成果を上げていくには、フットボールの知見、理論、戦略、戦術など専門分野について深く掘り下げて、クラブ経営に落とし込んでいくことが肝要です。
アビスパ福岡の経営の責任をもつ企業であるAPAMAN(株)とともにこれまでも学び続けてきたなかで、フットボールにおける高い知見を持つ人に我々の仲間になっていただくことも重視していきました。エグゼクティブ・アドバイザーの立石敬之氏は、国内外で選手・マネジメントの経験が豊富であり、アビスパ福岡の成長を支えてくれています。過去のジンクス(J1に上がってすぐ降格)を打ち破るべく、リーグ戦10位、勝ち点50を掲げて、全社一丸となってひたむきに戦い抜きます。
(つづく)
【河原 清明】
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