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2021年06月11日 13:45

5月M&Aは68件、4カ月ぶりに前年下回る

 M&A仲介・ストライク(東証一部)は、5月のM&A動向(適時開示ベース、グループ内再編除く)を集計した。

 5月のM&A件数(適時開示ベース)は前年同月比2件減の68件となり、1月以来4カ月ぶりに前年を下回った。国内案件が堅調に推移したものの、海外案件が7件と前年(13件)に比べて半減。取引金額は総額2,818億円(金額公表分)で、前年の1,391億円から倍増した。

 1~5月の累計では393件と前年同期を30件近く上回る。コロナ禍はM&A市場にとって追い風となっており、こうした基調に特段の変化は見られない。

 金額首位はENEOSホールディングスがJSRからタイヤ素材のエラストマー事業を買収すると発表した案件。来年4月をめどに買収予定で、買収金額は企業価値1,150億円をベースに純有利子負債、運転資本などを調整したうえで確定するが、1,000億円超が見込まれている。

 大型MBO(経営陣による買収)が相次いだ。新薬開発支援などのEPSホールディングスは625億円、テレビCM制作最大手のAOI TYO Holdingsは213億円で、それぞれ株式を非公開化する。EPSの案件はMBOとして今年最大の規模となる。

 青森県、福井県で地方銀行の再編が動き出した。地銀をめぐってはマイナス金利の長期化や貸出金利の低下で苦戦しているうえ、コロナ禍で取引先の業績悪化や倒産が重なり、経営環境が一層厳しさを増している。

 青森銀行、みちのく銀行は来年4月に共同持株会社を設立し、経営統合することで合意した。統合効果を最大化するため、2年後の2024年をめどに両行を合併させる。また、福井銀行は福邦銀行を10月に子会社化する。福邦銀が行う第三者割当増資を50億円で引き受け、過半の株式を取得する。

 3月に施行された改正会社法でM&Aの新手法として導入された株式交付制度の活用事例も初登場した。自社株を買収対価とする場合、これまでは完全子会社化するケース(株式交換)に限られていたが、株式交付の制度を使えば、株式取得が50%超~100%未満の範囲で子会社化が可能となる。

M&A表

九州・沖縄地域は2件

 5月のM&A件数は新日本製薬(福岡市)と、ビジネス・ブレークスルー(東京都千代田区)による2件で、金額はいずれも非公表だった。

 新日本製薬は、食品輸入のフラット・クラフト(東京都渋谷区)の全株式を取得し子会社化することを決めた。ヘルス&ビューティーの事業領域の拡大につなげるのが狙い。フラット・クラフトは健康効果が期待されるMCT油(中鎖脂肪酸油)、GHEE油(バターオイルの一種)、バターコーヒーなどの食材を取り扱っている。

 ビジネス・ブレークスルーは、子ども向けオンライン英会話スクールを運営するブレンディングジャパン(福岡市)の全株式を取得し子会社化することを決めた。拡大する子ども向けオンライン英会話市場への参入が狙い。ビジネス・ブレークスルーは社会人を対象とするリカレント教育事業を主力とし、ビジネスパーソン向けにオンライン英会話講座「BBTオンライン」などを提供している。

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