2022年06月27日( 月 )
by データ・マックス

次期総選挙で政策連合政権を樹立

 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事を抜粋して紹介する。今回は、「米国隷従からの脱却、市場原理主義から共生重視主義への転換、原発稼働ゼロを基本とする『政策連合』を構築することが必要だ」と訴えた7月8日付の記事を紹介する。

無能な為政者の下に置かれる市民は不幸だ。
しかし、その無能な為政者を市民が選んでいるなら自業自得ということになる。
市民は良い政府をつくることを真剣に考える必要がある。

コロナと五輪。
1年延期を決めたのは昨年3月24日。
2年延期の提案もあったが安倍晋三氏が1年延期を押し通した。

安倍晋三氏は
「人類がコロナに打ち勝った証しとして東京五輪を完全なかたちで開催する」
と述べた。

見通しの甘さが際立つ。
政府が五輪開催を重視するなら、この1年間に全力を注ぐべきだった。
しかし、全力を尽くした形跡はない。

安倍氏後継の菅義偉氏はコロナ感染拡大を推進する施策に全力を挙げた。
菅氏は昨年7月22日にGoToトラベルを強引に始動させた。
GoTo事業こそ日本の感染第三波を拡大させた主因である。
GoToトラブル事業だ。
11月21日からの3連休前に感染拡大が鮮明だった。

直ちにGoToを停止すべきだった。
しかし、菅義偉氏はGoToを12月28日まで推進した。

2021年に入ってからの主要な問題は変異株。
12月に英国で変異株が確認された。
直ちに水際対策を強化すべきところ、菅義偉氏は水際対策を骨抜きにした。
この結果、N501Y変異株が日本に流入し、感染第四波を拡大させる主因になった。

3月にはインドで新たな変異株が確認された。
直ちに水際対策を強化する必要があったが、菅内閣が対応したのは5月に入ってから。
この結果、L452Rが流入して感染第五波を拡大させつつある。

菅内閣は感染再拡大が進行するなかで東京五輪開催を強行する。
新たに南米から新種の変異株が流入する可能性が高い。
F490S変異株だ。

この変異株の最大の特徴はワクチン効果が著しく低下する可能性があること。
五輪開催強行でF490Sが流入する可能性が高い。
緊急事態宣言発出で感染が減少すると安易に宣言を解除する。

解除のタイミングは感染が再拡大する初期である。
行動抑制が緩み、感染再拡大が急速に進行する。
日本はコロナ被害が突出して軽微である東アジアに位置しながら、コロナ対応に失敗し続けている。
コロナ失政による結果だ。

挙句の果てに東京五輪が緊急事態宣言下でのものになる。
いまからでも遅くない。
東京五輪を中止すべきだ。

しかし、その判断すら下せない。
最低限、五輪の完全無観客開催を決断すべきだ。
しかし、この期におよんで、なお明確な決断を下せない。
最低の為政者と言わざるを得ない。

唯一の救いは次期衆院総選挙が数カ月中に実施されること。
この選挙で政権を刷新できる。
すべての主権者が選挙に足を運び、自分の投票で日本政治を変える選択を示すべきだ。

五輪は開催しても混乱に巻き込まれるだろう。
商業五輪=利権五輪=悪徳五輪は東京五輪で終わりにすべきだ。
五輪終を宣言すべきだ。

最大の問題は政権の受け皿が存在しないこと。

立憲民主党は17年の選挙に際して偶然から誕生した。
しかし、旧民進党の分離・分割が求められる局面で誕生したために、時流の後押しで急成長した。
旧民進党の最大欠陥は「守旧勢力」と「革新勢力」の同居にあった。

米国に隷従し、官僚支配の構造を容認し、大企業による政治支配を肯定する勢力が存在していた。
鳩山内閣を破壊したのは民主党内に潜伏していた守旧勢力である。
「隠れ自公」と表現してもよい。

辺野古移設を推進し、天下り根絶なき消費税増税を推進し、企業献金の存続を容認した。
この「守旧勢力」が鳩山内閣を内側から破壊した。

他方で、この構造を打破しようとする「革新勢力」も存在する。
この水と油の同居状態を解消すること。
これが旧民主党、旧民進党の最大の課題だった。

17年に創設された立憲民主党が「革新勢力」の分離独立であることが期待された。
市民はこの方向への期待を背景に立憲民主党を支持した。
立憲民主党議員の多くは共産党の選挙協力を得て議席を確保した。
立憲民主党が「革新政党」としての位置付けを明確にし、反自公の野党共闘の中核政党になることが期待されてきた。

ところが、その立憲民主党の行動が極めて不明確。
背景に日本政治支配を続ける米国支配勢力の意向がある。
日本政治を支配し続ける米国の支配勢力。
戦後日本の政治において、日本政治を支配し続ける米国の支配勢力の意向に対抗しようとした政治家はことごとく攻撃を受けてきた。

片山哲内閣、芦田均内閣、鳩山一郎内閣、石橋湛山内閣、田中角栄内閣、細川護熙内閣、鳩山由紀夫内閣の系譜だ。
この支配勢力は米国の意向に隷従する政治勢力のみを支援する。

米国の意向に楯突く勢力をことごとく攻撃してきた。
枝野幸男氏はこの勢力に怯んでいるのだと考えられる。

米国の支配勢力に従順でなければ首相の座に上り詰めることができない。
米国の支配勢力に従順でなければ政権を獲得できない。
政権を獲得できても長期間維持することはできない。

このことから、米国の支配勢力にすり寄っているのではないか。
枝野幸男氏がこの考えに立っているなら立憲民主党に多くを期待することはできない。
立憲民主党を再度分離分割して純粋な革新政党を生み出さねばならない。

米国隷従からの脱却
市場原理主義から共生重視主義への転換
原発稼働ゼロ
を基本とする「政策連合」を構築することが必要だ。

新しいリーダーが新しい政治勢力の構築を宣言すべきだ。
旧民進党内の対米隷属勢力が新党になったのが国民民主党。
米国が野党勢力を分断するために創設した民社党の使命を帯びる政治勢力である。

国民民主党を支援するのが連合内の六産別と呼ばれる御用組合連合だ。
電力、自動車、電機、鉄鋼、機械、金属、繊維の大企業御用組合連合。
対米隷属、新自由主義経済政策、原発稼働に賛同している。
この勢力は自公支援勢力である。

構成員は約400万人。
連合構成員700万人の多数勢力になっている。
しかし、400万人は総選挙での投票率4%にしか該当しない。
この勢力を除外しても十分に選挙を戦える。

対米従属勢力の4%ではなく75%の主権者勢力に政治刷新を訴えるべきだ。
戦術の大転換により日本政治大刷新を実現しなければならない。


▼関連リンク
植草一秀の『知られざる真実』

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