2024年04月20日( 土 )

さまざまな思惑、想定される複数のルート案 地下鉄空港線とJR福北ゆたか線は接続できるか?

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発端となった飯塚・筑豊エリアの願い

飯塚商工会議所
飯塚商工会議所

 「今回の接続に向けた動きは、当会議所を中心とした飯塚地区から始まったものです。かつて当会議所などが中心となって官民挙げた要望活動を行い、篠栗線と筑豊本線の電化に漕ぎ着けたことがありますが、その次なる地域浮揚策として、地下鉄福岡空港駅への乗り入れについての機運が高まったのが、今から約20年前のことです。その後、福岡空港の新宮沖移転などが議論されていた期間には一時落ち着いていたのですが、現空港敷地での滑走路増設などが決定したことで、再び機運が高まってきたのが5~6年前のことです。当会議所でも当時、飯塚市内の大学関係者や企業関係者にもいろいろとご意見をうかがいましたが、『国際会議への出席や出張などで福岡空港を利用する際に便利になるのでありがたい』『これまでの博多駅だけでなく、地下鉄を通じて天神とも直通となることで、飯塚市をはじめとした筑豊エリアの活性化にも期待できる』などと、皆さん概ね賛成でした。そうしたことから、接続に向けて本格的に活動を始めたのです」――と、飯塚商工会議所の理事・事務局長を務める香月法彦氏は語る。

 香月氏の話にあるように、1980年前後から飯塚・筑豊エリアでは、産炭地からの脱却と筑豊の浮揚を図ることを目的に、篠栗線および筑豊本線の電化への要望活動を行ってきた。飯塚商工会議所でも民間団体11団体とともに「篠栗線・筑豊本線電化複線化促進協議会」を設立してさまざまな促進活動を実施。そうした官民挙げての取り組みが実って01年10月に篠栗線と筑豊本線が電化され、電化に合わせて「福北ゆたか線」と名付けられたのだ。

 その後、次なる地域浮揚策として挙げられたのが、拡大・成長する福岡都市圏のパワーを取り込むために必要な、空港および福岡市中心地へ直結する交通インフラの整――つまり、福北ゆたか線と地下鉄福岡空港線の接続だった。

つづく

【坂田 憲治】

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