東京を照らす松明となるか~大規模再開発「TOKYO TORCH」~
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三菱地所(株)は7月21日、「TOKYO TORCH」の第1弾プロジェクト「常盤橋タワー」、街区中央に位置する大規模広場「TOKYO TORCH Park」、商業ゾーン「TOKYO TORCH Terrace」をグランドオープンした。TOKYO TORCHは、多くの路線が集中する東京駅とその周辺地域(丸の内・大手町・日本橋)において、新たなシンボルとなる大型プロジェクトして注目を集めている。同プロジェクトは、東京駅周辺で最大となる敷地面積3.1ha(約9,377.5坪)におよぶ大規模複合再開発であり、10年超の事業期間をかけて段階的にビル開発を進める計画となっている。
先進設備を導入した常盤橋タワー
常盤橋タワーのオフィス有効面積は約2万2,800坪と広大で、3階から37階までが商業テナントフロアとなっている。低階層にはTOKYO TORCH Terraceとして、ショップ&レストラン、カフェテリアなどの一般来場者も利用できる施設が入居。三菱地所(株)によれば、東京海上ホールディングス(株)や古河機械金属(株)など、9割のオフィス入居テナントがすでに決定している(2021年7月時点)という。
同タワーの特徴として、商業テナントビルにおける最新デジタル技術の実装が挙げられる。就業者専用アプリ「TOKYO TORCH App for 常盤橋タワー」の導入や、ロボット実装による施設管理の高度化および就業者サービスの展開、Torch Towerへの実装を見据えた「先進的なオフィストイレ」の導入などだ。
就業者専用アプリは、手かざしによる非接触セキュリティ認証に利用することができるほか、同時に入館証にもなる。また、同タワーにある飲食店やラウンジ、会議室などの席予約、注文、決済を行うことも可能だ。ロボット実装は、施設内の警備や清掃、配送などに用いるほか、カフェデリバリーなどの就業者サービスの利用も見込んでいる。3階「MY Shokudo」エリア内に設置された先進的なオフィストイレは、TOTO(株)と協業して「誰もが使いやすく、リフレッシュできるトイレ」として開発されたもので、“nagomuma restroom(ナゴムマレストルーム)”と名付けられた。各動作が個室内完結可能な六角形ブースとなっており、空き状況表示サービスの導入のほか、空間の内装・照明・音響演出、IoTを用いた設備機器の効率的な管理(機器の利用状況や石鹸残量の把握等)が可能となっている。
タワーと同時にオープンしたTOKYO TORCH Parkは2,000坪超と広大であり、日本全国の地域の魅力を世界に発信することを目的としている。地域の魅力として、新潟県小千谷市との協業により、錦鯉を約50匹放流した池やイベントスペースとしての運用も行っている。日本橋川沿いに広がる親水空間では、デッキスペースが広がり、江戸桜通りから続く桜並木、既存樹のケヤキの木漏れ日など、緑豊かな空間を提供している。
また、デンマークを拠点に活動する遊具製作会社・MONSTRUM(モンストラム)と協業し、広場中央に鯉池アート遊具を設置。同広場の象徴ともなっている。
(つづく)
【麓 由哉】
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