2024年04月15日( 月 )

太陽光パネル「住宅義務化」は見送りも、30年にZEH・ZEB基準引き上げ図る

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 政府は太陽光発電の活用に向けて、再エネ設備の設置に関する建築主への情報伝達の仕組みの構築、ZEH・ZEBへの補助の継続・充実を行う。加えて、低炭素建築物の認定基準を見直し、再エネ設備を設置したZEH・ZEBを要件化。消費者や事業主が安心できるPPA(電力販売契約)モデルの定着や、脱炭素先行地域づくりを支援してモデル地域の実現を行い、地域・立地条件の差異を勘案しつつ、制度も含め必要な対応を検討する。なお、蓄電池(4kWh)は導入コストを75万円とすると光熱費が年間3万円低減され、自家消費率は20%増加して25年で設備投資を回収できる(国交省試算)。太陽光発電設備の軽量化や発電効率の向上などの技術開発と、蓄電池を含めた一層の価格低減を進めるとしている。

 また、給湯負荷の低減が期待される太陽熱利用設備の利用拡大など、その他の再エネ・未利用エネルギーも活用し、民間の非住宅建築物や中高層住宅における木造化の推進、木材の安定確保に向けた体制整備の推進に対する支援などにより、二酸化炭素(CO₂)吸収源としての木材の利用拡大を図る。

(出典:国交省)
(出典:国交省)

省エネ性能基準段階的に引き上げへ

 政府は25年度、省エネ性能の底上げとして、住宅を含めた省エネ基準の適合義務化を行う。省エネ基準を満たすための追加コストは、平均的な戸建住宅で約11万円となり、光熱費の低減により回収できるまで約37年がかかると見込まれる。大規模共同住宅では1戸あたり約3万円、中規模共同住宅では約6万円で、これらの共同住宅では回収できるまで約15年がかかるとされる(以上、国交省試算)。新築住宅・建築物の販売や賃貸では省エネ性能表示の義務付けを目指し、既存ストックは表示や情報提供の方法を検討するという。省エネ基準は義務化が先行している大規模建築物から段階的に引き上げ、遅くても30年までに、誘導基準(※4)への適合率が8割を超えた時点で、省エネ基準をZEH・ZEB水準の性能まで引き上げるとしている。

※4:建築物省エネ法に基づく誘導基準は、22年度にBEI=0.8(再エネを除く)および強化外皮基準というZEH水準に引き上げとなる。

 既存のストックに対しては、国や自治体が率先して管理する建築物や住宅の計画的な省エネ改修を促進。耐震性がなく省エネ性能も著しく低いストックは耐震改修と合わせた省エネ改修の促進や、省エネ性能が確保された住宅への建替えを誘導する。加えて、耐震性のある住宅ストックは窓の断熱改修や部分断熱改修などの省エネ改修を促進し、普及啓発と大幅な取り組み拡大を図るため、自治体と連携した支援を行うとしている。

(了)

【石井 ゆかり】

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