2024年03月19日( 火 )

市営住宅約3,500戸分を建替え、資産価値の維持・向上へ

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高度経済成長時代の資産を再生

 福岡市が公表している「福岡市推計人口」によれば、市の人口は162万758人(2021年9月1日現在)。増加傾向は続いており、相応に住宅需要も生まれている。

 市では「福岡市人口ビジョン(15年10月策定)」において、2035年まで人口増加が続くとの予想を出し、35年時点の推計人口を160万6,000人としていた。だが、市の人口はすでに162万人に到達。予想を上回るペースで人口増が続いていることがわかる。コロナ禍にも関わらず、民間企業によるマンション建設も以前と変わらず活発だ。しかし、開発用地の取得は厳しさを増しており、民間主導の住宅整備にも限界がある。そこで注目されるのが、市の資産でもある市営住宅の存在だ。

 市で管理している市営住宅は、170住宅・811棟・3万1,554戸(20年3月末時点/表参照)におよぶ。だが、その約4割が高度経済成長期に人口増への対応を目的に大量供給されたもので、築40年を優に超えている。耐震性の強化をはじめ、エレベーターの設置やバリアフリー化など、時代に合わせた利便性の向上が不可欠だ。

 大規模改修や建替え工事によって老朽化が進む市営住宅の機能更新を行うことで、維持保全費をはじめとする市の長期的な財政負担を軽減。合わせて、市の資産価値向上と、幅広い世帯への良質な住環境の提供につなげる。

 市ではこれを「市営住宅ストック総合活用計画」として策定し、計画期間を2016~20年度までの前期、20~25年度までの後期の2つに大別。建替え事業については、前期で約1,700戸、後期で約1,800戸分の建替えを目標に掲げている(建替後の新住宅入居については、建替え前の入居者が優先される)。

福岡市住宅都市局資料より
福岡市住宅都市局資料より

【代 源太朗】

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