2024年04月30日( 火 )

「博多」と「天神」の周縁、21年基準地価で上昇率上位に(前)

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【2位】博多区冷泉町

オーシャン博多ビル
オーシャン博多ビル

Map data (c) OpenStreetMap contributors, CC-BY-SA

冷泉公園
冷泉公園

 2位となった「博多区冷泉町5-32」(オーシャン博多ビル)は、大博通りに面する比較的大規模なオフィスビルで、福岡市地下鉄・祇園駅まで徒歩3分、博多駅から徒歩でも11分と、こちらも利便性の高いところ。大博通り沿いには、「支店経済」を印象づけるように、大手企業の支店が入居するビルが多く建ち並んでいる。1位と同じく博多・天神のどちらにも好アクセスである点が評価されたと見られる。冷泉町では近年、ホテル開発が目立っていた。オーシャン博多ビルから徒歩5分圏内だけでも、19年12月に開業した「9HOTEL HAKATA」(44室)、20年4月に開業した「ホテルリファレンス冷泉」(40室)、同年9月に開業した「ホテル・トリフィート博多祇園」(130室)、今年8月に開業した「&HOTEL HAKATA」(68室)と、ここ2年で多くのホテルが開業している。

 オーシャン博多ビルから中洲方面に4分ほど歩くと、3,580坪の敷地を誇る冷泉公園。隣には1998年に閉校した旧冷泉小学校(敷地:2,054坪)があるが、こちらは福岡市が有効活用に向け再開発の検討を進めている。なお、18年4月からは埋蔵文化財の発掘調査が行われており、福岡市によれば、平安時代後期の交易港跡と見られる石積み遺構が発見されたという。これにより、再開発には遅れが出そうだが、将来の重要な観光資源となる可能性もあるだけに、再開発においても歴史を尊重した計画となることに期待したい。

 こちらも余談だが、大博通りを博多駅方面に約6分歩いたところにある「大博多ビル」は、17年10月にOneリート投資法人が106億円(21年2月末時点の鑑定評価は119億円)で取得していた。

左:大博通り(奥に見えるのが博多駅) / 中:9HOTEL HAKATA / 右:&HOTEL-HAKATA

【永上 隼人】

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