2024年05月02日( 木 )

歴史を重んじながらも未来を見据え「福津らしく」魅力ある都市へ

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

福津市長 原崎 智仁 氏

市のファン獲得で好循環を

 ――福津市の魅力については、どのようにお考えですか。

福津市長 原崎 智仁 氏
福津市長 原崎 智仁 氏

 原崎 本市は福岡都市圏にありながらも、農業や漁業などの一次産業の基盤でもある良好な自然環境に恵まれています。また、最近にわかに「かがみの海」として注目を集めている海岸ビーチや、「光の道」で有名な宮地嶽神社、世界遺産「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」の構成資産である「新原・奴山古墳群」、製塩と交易で栄えた津屋崎千軒の街並み、唐津街道の宿場町である畦町宿など、自然や歴史・文化に触れる「体験型観光」に資する観光資源が豊富にあります。さらに、市の重点施策であった「福間駅東土地区画整理事業」が2014年5月に完了したほか、旧・福岡厚生年金スポーツセンター(ウェルサンピア福岡)跡地で開発された分譲住宅地「シーサイドパーク海岸通り」などの新たな住環境の整備などによって近年は人口増加が続いており、生産地でありながら消費地でもあるという特性があります。加えて、生活利便性も高く、総合病院、商業施設なども整い、交通インフラを通じて大都市・福岡市にも近いという地理的な好条件を有しています。こうした都市としての「総合的なポテンシャルの高さ」が、福津市の魅力ではないでしょうか。

 ――福岡都市圏において農業や漁業、そして観光に強みをもたれている点は、糸島市とも重なります。

 原崎 本市の玄界灘の天然真鯛をはじめとした新鮮な水産物や、カリフラワーやブロッコリーなどの農産物などは、糸島に負けないくらいの味・品質だと自負していますが、残念ながらメディア戦略やブランディングでは少し後れをとっています。この部分はテコ入れを図っていかなければなりません。そこで、本市の地方創生事業の指針となる「福津市まち・ひと・しごと創生総合戦略」において、「地域資源を生かした魅力ある稼ぐしごとづくり」を基本目標に、戦略的取り組みとして「農水産業×観光」を掲げた地域商社である(一社)福津いいざいを18年9月に設立し、これまでに戦略的な情報発信や販路開拓、ローカルブランディングなどに取り組んでいます。また、9月議会で承認を得まして、農業や漁業の方々に対する窓口を一本化した専門部署も10月から新たに設置しました。

 観光面でも今後、市民の皆さまの協力を得ながら市独自の観光地域づくり法人(観光DMO)を設立し、「福津ならではの幸せ体験のコンテンツ」の開発および充実に努め、シビックプライドの醸成や環境保全、市民満足度の向上などに貢献しながら、利益を生み出していく挑戦を行っていきたいと考えています。

 ――最後に、福津市のこれからについてお聞かせください。

 原崎 昨年10月に行われた国勢調査では、本市の人口は5年前に比べて8,000人以上増加し、人口増加率は全国の市町村のなかで第6位となりました。これにより、本市の基準財政需要額は大幅に上がることになり、地方交付税などの算定は、約13億円の増額を見込んでいます。また、ふるさと納税の寄附も年々増加傾向にあり、20年度は寄付件数1万8,678件、寄付金額4億3,822万4,000円にまでなりました。これらは、定住人口の増加だけでなく、交流人口や関係人口の増加に向けた本市のこれまでの取り組みが、良い循環を生み出しているものと思われます。

 これからも福津市の個性や魅力を発信し、市内外で“福津市のファン”を増やしていくとともに、市政の基本となる魅力ある地域づくり・まちづくりに全力で取り組んでいきたいと思います。

【坂田 憲治】


<プロフィール>
原崎 智仁
(はらさき・ともひと)
1970年7月生まれ、福津市出身。福岡高校、早稲田大学政治経済学部政治学科を卒業。私立高校講師や社会福祉法人での勤務を経て、2010年12月から17年1月まで福津市議会議員を務めた。17年3月に福津市長に就任し、現在2期目。

  • 1
  • 2

月刊誌 I・Bまちづくりに記事を書きませんか?

福岡のまちに関すること、再開発に関すること、建設・不動産業界に関することなどをテーマにオリジナル記事を執筆いただける方を募集しております。

記事の内容は、インタビュー、エリア紹介、業界の課題、統計情報の分析などです。詳しくは掲載実績をご参照ください。

企画から取材、写真撮影、執筆までできる方を募集しております。また、こちらから内容をオーダーすることもございます。報酬は1記事1万円程度から。現在、業界に身を置いている方や趣味で再開発に興味がある方なども大歓迎です。

ご応募いただける場合は、こちらまで。その際、あらかじめ執筆した記事を添付いただけるとスムーズです。不明点ございましたらお気軽にお問い合わせください。(返信にお時間いただく可能性がございます)

関連記事