2024年04月24日( 水 )

フレキシブルオフィスのマルチブランド展開で、あらゆる層に最適なオフィスを提供

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

日本リージャスホールディングス(株) 代表取締役 西岡 真吾 氏

日本リージャスホールディングス(株)
代表取締役 西岡 真吾 氏

(聞き手:永上 隼人)

日本で進むブランド定着

 ――リージャスは、世界最大手のフレキシブルオフィスブランドです。日本市場でもリージャスブランドは定着していますが、他国との市場特性の違いについて感じられることはありますか。

 西岡 リージャスは英国発祥のブランドです。欧州市場では、英国モデルで成功を収めることができましたが、日本市場ではそうはいきません。当然ですが、まずサイズの違いへの対応が求められます。しかし、日本進出をはたした23年前は、欧州のビジネスモデルをそのまま輸入するかたちでビジネスがスタートしました。

 たとえばオフィスデスクのサイズ。欧州市場では1人1,800~2,000cm程度のものを使用しますが、日本人には大き過ぎますし、そのままだと無駄な専有面積が生じてしまいます。そして、1人あたりの単価も上がります。当初はベンダーに天板をカットしてもらうなど、日本のオフィス空間に適した製品をそろえるのに苦心しました。

 リージャスブランドの特徴としては、お客さまに提案できるサービスに選択肢が多く、予算配分を行いやすいことが挙げられます。ハイグレードな「リージャス」、リーズナブルな「オープンオフィス」、コミュニティ形成の場としても利用できる「スペーシズ」。なかでも起業家に適したオープンオフィスは日本発のブランドであり、日本市場独自の取り組みといえます。

 また、日本市場では不動産オーナーとの共同事業としてフレキシブルオフィスを展開しているケースが半数以上となっていますが、これも他国との違いです。オーナーが事業に投資し、売上や事業収益を配分するかたちで、賃料を当社がお支払いする格好です。

リージャス
リージャス

 ――福岡市場の特性については、どのように見ていますか。

 西岡 福岡は、外資系企業の利用が多いのが特徴です。アジアのゲートウェイという地理的優位もあり、コロナ以前の外資系企業の利用率は、東京より高水準で推移していました。

 また、東京、大阪本社の国内企業が、九州展開を考える際の支店・営業所としての利用も多いです。当社では博多と天神に拠点を構えていますが、博多は福岡県外の企業の割合が高く、天神は地場企業の割合が高いです。九州一円をターゲットにしているのか、地場密着で福岡市場の開拓に注力されているのかで、博多と天神、どちらのフレキシブルオフィスを利用するかが変わるのだと思います。

 リモートワークに代表されるように、コロナ禍で働き方が変わるなかにあっても、福岡では契約継続率が非常に高く、長期契約のお客さまが多いのも特徴です。

 ――福岡で今後、拠点新設の計画などはありますか。

 西岡 全国的に出社率は下がる可能性が高く、そうなればダウンサイズや縮小移転への要望が高まっていくことが想定されます。福岡市場においてもその影響は少なからず出てくるものと考えており、コロナ禍で今後の見通しに関して、少し不透明感が増した印象をもっています。

 実際に、福岡のオフィスマーケットにどのような影響が出てくるのかを含め、市が進める天神ビッグバンの動向は注視しています。当社は全世界3,300カ所、国内170カ所以上でフレキシブルオフィスを展開しています。このうち、現在、九州では16カ所、福岡では7カ所のフレキシブルオフィスを展開していますが、長期的な目標としては、日本全国で1,000~1,500拠点、九州全域で100拠点程度を目指していきたいと考えています。

【文・構成:代 源太朗】

関連記事