2024年05月22日( 水 )

「旭工務店ブランド」強化のため 変化できる強い組織への挑戦

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

(株)旭工務店 代表取締役社長
吉弘 真二 氏

旭工務店の大きな資産

(株)旭工務店 代表取締役社長 吉弘 真二 氏
(株)旭工務店
代表取締役社長 吉弘 真二 氏

    5月に創業75年目を迎えた地場老舗ゼネコンの(株)旭工務店は、コロナ禍の20年4月に社長交代をはたし、吉弘真二氏が実質4代目社長に就任した。

 同社は分譲マンション建築工事を主体とし、近年の売上高は100億円前後で推移。採算性も好調に推移してきた。これまでの実績から、地場のマンションデベロッパーが同社に寄せる信頼は厚い。また、リーマン・ショックの経験から金融機関との関係構築も一日の長がある。その効果が財務体質やキャッシュフローの改善に現れているといえるだろう。これらは、先代(現会長)と執行部がつくり上げてきた旭工務店の大きな資産となった。コロナ禍に突入した直後での社長交代が成し遂げられたのは、こういった受注先や金融機関との関係構築に腐心してきた賜物だったともいえる。

事業の裾野を拡大

(株)旭工務店    マンション新築主体ながら、公共事業の受注も増加しており、公営団地、高等技術専門学校、市総合体育館、市場解体工事などで幅広く実績がある。19年2月には、福岡市から公営住宅新築工事について、「工事成績優良業者」としても表彰された。

 「おかげさまでコロナ禍の影響もなく前期決算(21年8月期)を終えることができた。ただ、今後は市況の変化が次第に顕在化していくとみており、住宅だけでなくさまざまな用途の建築物にチャレンジしていく。また、土木分野の強化も引き続き進めていく」――社長就任から3期目に入った吉弘社長はこのように話した。さらに、短期間で安定的な受注が狙えることや、これまで竣工させてきた建物へのアフターフォローの側面から、大規模改修・リフォーム事業の強化も図っているという。「強い組織は、変化できる組織。変化できる組織にするために、事業の裾野を拡げていくことが重要で、これは私の使命だと考えている。裾野を拡げることで技術力の向上を図り、結果としてそれが旭工務店ブランドとなっていく」(吉弘社長)と意気込む。

入社動機は「通学路で見た現場」

 さらに、「お客さまのおかげでこういったチャレンジができていることに感謝している。また、当社の従業員がしっかりと顧客の要望に応えてきた結果だとも自負している」と続けた。同社では地元で新卒採用した人材が多く活躍しており、「通学路で毎日見ていた現場がきれいで、できた建物もかっこよかったから」といった動機で新卒入社した学生もいると聞く。資格取得のための時間的・金銭的支援も積極的に行うことなどで、定着率も安定傾向にあるという。社内コミュニケーションにも配慮しており、風通しの良い社風が同社の強みだ。吉弘社長は、「事業の裾野を広げるだけでなく、人材育成を進め、次世代の組織の礎を築いていきたい」と締めくくった。


<INFORMATION>
代 表:吉弘 真二
所在地:福岡市博多区博多駅南5-10-13
設 立:1953年9月
資本金:1億2,000万円
TEL:092-431-4131
URL:http://www.napsnet.co.jp


<プロフィール>
吉弘 真二
(よしひろ・しんじ)
1957年3月、福岡市生まれ。九州産業大学卒。(株)旭工務店の協業企業を経て同社に入社。社長室長、専務取締役、代表取締役副社長を経て、2020年4月に代表取締役社長に就任した。趣味は旅行とドライブ。

関連キーワード

関連記事