“設計思考”で構想する唐人町の未来図、焼き芋できる「立体キャンプ場」案(前)
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PayPayドーム最寄り、街には古き良き風情も
唐人町は、ゲスト(街の外からやって来る人)が通過していく街といったイメージが強い。
PayPayドームへのアクセス最寄り駅という宿命だろう。しかし実は中身をよく見てみると、非常に興味深い街であることがわかる。それを今回、少し紹介してみたいと思う。
江戸時代、唐津街道に沿って町屋が並び形成された都市構造が、今の唐人町商店街の原型だ。その界隈を中心として暮らしと商業が混在し、また寺社や学校も多い。
【唐人町駅周辺は市内有数の文教地区】
・小学校…福岡市立当仁小学校、福岡市立南当仁小学校、福岡市立福浜小学校、福岡教育大学附属福岡小学校
・中学校…福岡市立当仁中学校、福岡教育大学附属福岡中学校、福岡大学附属大濠中学校、筑紫女学園中学校
・高校…福岡大学附属若葉高等学校、福岡大学附属大濠高等学校、筑紫女学園高等学校
・大学…西日本短期大学、西南学院大学
・専門学校…大村美容ファッション専門学校、福岡美容専門学校、福岡カレッジ・オブ・ビジネスなど隣街の西新地区と合わせて、文教地区を形成している。校区内に住む就学児もさることながら、国立や私立の就学児や専門学生なども、地下鉄を利用して朝晩登下校しているのだ。朝の黒門川通りには、黄色い帽子をかぶった私服の小学生、黒い学ランの中学生、紺色ブレザーにネクタイの高校生、少し大人びた私服の大学生、赤色や緑色に髪を染めた厚底ブーツの美容学生など、混然一体とした通学風景を観ることができる。サラリーマンの通勤や八百屋さんの朝のトラックの荷下ろし、子どもたちを見守る旗振り当番の保護者や店舗前の打ち水をする老婆の姿など、子どもから大人までの朝の支度が、サザエさんの世界のように古き良き懐かしい原風景に見えてくる…悪くない。街全体が相助の関係なのだなぁと、改めて気づかされるのだ。
<プロフィール>
松岡 秀樹(まつおか・ひでき)
インテリアデザイナー/ディレクター
1978年、山口県生まれ。大学の建築学科を卒業後、店舗設計・商品開発・ブランディングを通して商業デザインを学ぶ。大手内装設計施工会社で全国の商業施設の店舗デザインを手がけ、現在は住空間デザインを中心に福岡市で活動中。メインテーマは「教育」「デザイン」「ビジネス」。21年12月には丹青社が主催する「次世代アイデアコンテスト2021」で最優秀賞を受賞した。月刊誌 I・Bまちづくりに記事を書きませんか?
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