「エミューによる地方創生」佐賀県基山町の挑戦
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耕作放棄地問題や鳥獣被害対策に一役
佐賀県と福岡県との県境に位置する、佐賀県三養基郡基山町。最寄り駅はJR鹿児島本線「けやき台駅」「基山駅」で、電車を利用すれば福岡市内まで20分強と好アクセスなのも魅力で、大東建託(株)が実施する「街の住みここちランキング2021<佐賀県版>」では、「交通利便性」「親しみやすさ」「静かさ・治安」の項目において、佐賀県1位となっている。
その基山町が地方創生の一環として取り組んでいるのが、エミューの飼育およびエミューの肉や脂肪から抽出したオイルなどを使った商品の加工・販売。これまで「エミューキーマカレー」など、エミュー肉を使った商品を開発してきた。
現在、基山町では農家の高齢化と後継者不足による耕作放棄地の拡大や、農作物のイノシシなどによる鳥獣被害が課題となっている。そこで基山町では、イノシシへの忌避効果があるエミューの放牧を考えているという。
基山町では2017年度から地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)を活用し「ダブルジビエ活用事業」を実施。イノシシとエミューの食肉処理施設(ジビエ解体処理施設)をつくり、運営を(株)きやまファーム(佐賀県基山町)に委託している。
松田一也・基山町長は、「基山町は『エミューのまち』としても知られるようになり、予想をはるかに超える町のPR効果がありました」としたうえで、「エミューの肉には、疲労回復効果があるとされるイミダペプチドが豊富に含まれていることがわかっています。また、高タンパク低脂肪で鉄分も多く含まれているため、今後エミュー肉の需要が拡大するのは間違いありません。エミューオイルは人間の皮脂成分に近く、肌に優しい特徴があります。そこで化粧品として売り出していますが、まだ十分な売上を上げているとはいえません。商品の魅力をPRして、認知度を高めていく必要があるのではないでしょうか」と、エミュー事業に対する手ごたえとともに、今後の課題を口にする。
【新貝 竜也】
Onlineshop
エミュー関連商品は、「きやまファームオンラインショップ」などで購入可能。
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